暑い。ドコモのバイクシェアという、レンタル自転車で仙台堀を爽やかに走っていたのだけど、つい調子に乗って隅田川(池波正太郎の小説的には「大川」)を渡って、江戸市中に入った頃から、汗が吹き出してきた。返却場所であり、かつ、駅から近い場所となると、秋葉原駅になってしまった。
最初の試みは、江東区率の古石場図書館という、江戸時代的な小説の在庫が豊富で、下町文化に溢れる深川地区、最寄り駅は門前仲町駅、に向かった。池波正太郎の剣客商売第4巻「天魔」を借りられたのは良かったが、ポケモンゴーのクルクルに誘われつつ、結局は遠出になってしまった。
途中で買った炭酸水500mlが、すぐに蒸発してしまうほどの(実際には飲んだのだけど)暑さだが、自転車で流す隅田川周辺の景色は、それなりに気持ちよく、風も涼やか、電動サイクルは軽快に進んでくれる。坂道のほうが電動アシスト機能のおかげで、ラクラクに上がれる。良い時代になったものだ。お盆休みのせいもあり、東京都心は休日にも関わらず、繁華街スポットを除けば、意外と空いている。
カフェ・ベローチェの昭和通り口は、それでも、安くて量の多いアイスコーヒー目当てに、さほど金のない庶民たち(私をはじめとする)で賑わっていた。昭和通りを浅草橋の方へ渡ると、内外の観光客で賑わう秋葉原も、混雑した感じがだいぶ抜けるように感じる。一休みして、池波正太郎の小説を開く。冷たくて美味しいアイスコーヒーは、テーブルの上で、みるみるうちに蒸発していった。