【江戸川区】宝来湯 古川親水公園の銭湯

環状七号線の、一之江駅と葛西駅を結ぶ直線上の、ほぼ中間点、その道路を直角に横切るのが新川。その少し上を地味に流れているのが、日本で最も古い、いや、由緒正しき歴史を有する、古川親水公園である。その川沿いに、静かなたたずまいで構えているのが、ここ、宝来湯である。

江戸川区が誇る、ユネスコ世界遺産の対象にもなったとかならなかったとか有名な古川親水公園。ぜひ桜の季節には、訪れてほしい。「新川桜まつり」も有名だ(江戸川区では)。今は晩春、ほぼ葉桜になっているけれど、それでも良い雰囲気の散歩コースとして人気の区画である。

さて、宝来湯。古川親水公園の沿岸というか、両脇の住宅街は、景観保護法的な何かのため、例えば超高層タワーマンションなどは建築できない。低層住宅街の中でも、昔ながらの良い雰囲気を建物全体が残している。

ガラガラと引き戸を開けて入場する。ヒロイン銭湯では、ない。脱衣場には、昔の時代の写真が飾られていたり、年季の入った木製の番台が、随分と昔から存在してきたことを物語っている。大きな家庭用冷蔵庫には、飲料の料金が貼り紙されている。男女の脱衣場の真ん中に、見上げるようにテレビが設置されているのは、よく見る風景だ。

浴室内も、決して広くはないけれど、必要なものは揃っている。リンスインシャンプーに、ボディーソープ。洗い場は10席分。お風呂も広くはないけれど、4人用に区切られている。湯船の中は、仕切りがあるせいもあり、心地よい。お湯は熱くない。江戸川区は、江東区ほど熱くない。足を伸ばせるのは、幸せだ。

壁には見上げるような大きな富士山。油絵のようだ。2014年、丸に「み」という署名がある。青空を背景に、白い雪をかぶった青い富士山、その麓には湖が広がっている。同じ色の澄んだ青が、大浴場の壁にもラインのように伸びており、青と白のコントラストが壁から天井までをきれいに区切っている。浴場の全体が富士山のようだ。

バス停「古川親水公園」から、徒歩1分。シャトルセブンも止まる、いわゆる「急行停車駅」である。ディズニーリゾートからも、急行バスで数十分。コンパクトながら必要なものはすべて揃っている、代名詞になり得るような昔ながらの銭湯だ。

グーグルのストリートビューより。

グーグルマップより。

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