特別本醸造 秩父錦 心が通う秩父の地酒

創業、寛永二年。心が通う秩父の地酒、秩父錦だ。横のペンギンがビックサイズなので気が付きにくいかもしれないが、一升瓶である。秩父の自然に育まれた清酒、仕込み水は秩父山系の伏流水を使用している。おすすめの飲み方は「常温」である。正統派の、日本のお酒だ。

もちろん、ふるさと納税のお陰さまだ。一万円で、1本目が二本、届くのは、非常に助かる。しばらく、この制度の恩恵に授かっている。最近は制度が変わって、地元の産品以外は送れないようになっているが、美味しい地酒をお得に楽しめる、庶民にとっては良い政策だ。一方で、泉佐野市のような、制度を柔軟に利用する賢さも、とても好きである。

酒造元は、株式会社、矢尾本店。現代の名工が造り出す新しい味わいは「全国新酒鑑評会」で七年連続金賞を受賞するなど、高い評価を得ている。秩父で産まれ秩父で愛される地元の銘酒。

香りがする。渋いお米の香り。古酒のような気もする。一口。芳香が広がる。剣菱ような、独特の味わいがする。美味しい。甘みはなく、透明性もなく、ただ、この、本醸造の独特の味覚だけが、ある。オツマミも要らず、お燗もせず、この味わいだけを、ゆっくり楽しめる。

開栓したのは、6月の始まりで、まだ梅雨入りしていない、土曜日の夜。ベランダの風が涼しい。今は、過ごしやすくて、一番良い季節の中の一つだ。何となく小腹も減り、カルビーポテトチップス、コンソメパンチを開封する。ベランダで涼しい夜風に当たっているうちに、私は一枚も食べていない間に、子供がバリバリと食べ尽くしてしまったけれど、それも一つの、土曜日の夜の風景の一つだと思って寛大にやり過ごせるほどに、風味豊かな、特別本醸造の日本酒なのであった。

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