【江東区】亀の湯 住吉の銭湯

江東区住吉。都営新宿線の住吉駅、菊川駅の、真ん中くらいに、ある。菊川駅から歩いてみると、途中で記念碑がある。鬼平犯科帳の主人公である、長谷川平蔵と、遠山の金さんこと、遠山金四郎の住居跡が、この辺にあったようだ。歴史小説ファンにとっては貴重な場所、いわゆる聖地と言えよう。そう言われると、そこいら辺を御散歩なされている爺さま方の御顔付きも、藤田まことや、松平健に似てきたようにも思える。

さて、ここは、亀の湯。鶴の湯、というのはよくきくけれど、「鶴は千年、亀は万年」であり、亀の方が長寿である(と、言われている)。ゆったりと湯に浸かりながら、健康的に長生きすることにかけては、亀の方が得意そうだ。

脱衣場にある番台には、最近の銭湯には珍しく、若くて綺麗な女性の番台さんが「いらっしゃいませ」と元気に迎えてくれた。(別に、若くなくて綺麗でない番台さんが標準的である、という訳ではない)

建物内に設置されている銭湯なので、比較的、コンパクトな作りになっているが、これがまた施設も新しく、使い勝手が良さそうだ。脱衣場には無料のドライヤーがある。普通は20円くらい入れないと動かないが、ここでは無料である。

大浴場に入る。洗い場の席数は少ないけれど、黒っぽい御影石で作られた立派な洗い場には、やや高めで座りやすい椅子が最初から置いてある。シャンプーとボディーソープもある。L字型になっている、やや大きめの一つ造りの湯船の壁には、秋の紅葉に囲まれた白糸の滝が、真っ白なしぶきを上げながら、川面へ落とし込んでいる。

今日は「ユーカリの湯」ということで、何やら良い香りのする葉っぱ(変に聞こえるかしら)が、ネットに包まれて、湯舟に漂っている。薄い紫色になったお湯が、健康に良さそうだ。お湯は、やや熱い方だ。水温計は「42度」を指している。

帰り道は住吉駅の方から、地下鉄に乗ってみよう。西日を背中にしながら歩ける。8月末になったけれど、夕方はまだ熱気が立ち込めている。住吉商店街からは、東京スカイツリーが見える。涼しい風が吹いてくる。「春はあけぼの、夏は夜。秋は夕暮れ、冬は何だっけ…」の通りだ。残暑から秋口にかけては、やっぱり夕方が、良い。

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