生貯蔵酒 じょっぱり 青森の地酒【2019青函旅-09】

じょっぱりとは、津軽弁で「意地っ張り」「頑固者」を意味する言葉のようだ。淡麗辛口の日本酒。このお酒、じょっぱりが生まれたのは昭和40年代で、当時の東北の地酒は、濃厚で甘口な味わいの酒が主流だったそうな。そんな世間の流れに背を向けて、どこの酒にも似ていない、六花酒造さんならではの酒を造りたいという、意地っ張りで頑固な想いから生まれた、という。

青森から函館へと向かう青函フェリーは、今、まさに津軽海峡を越えようとしている。本日の津軽海峡・冬景色は、天気もよく、波も高くなく、順調そうに見える。ゴンゴンゴンゴン、というエンジン音が、眠気を誘う。青森では振り続けていた雪は、影もカタチも無くなった。

「ご覧、あれが竜飛岬、北の外れと、見知らぬ人が指を指す」とは、津軽海峡・冬景色の歌詞。グーグルマップによると(津軽海峡でも電波が繋がるのはすごい)、下の写真の右の方が竜飛岬のようだ。見知らぬ旅客たちは、特に指を指すことなく、4時間の船旅ということもあり、その大半がシート席や雑魚寝ルームで睡眠中だ。

「淡麗辛口」だが、飲みやすい。なんとなく、剣菱のような古酒っぽさがあるところが好きだ。一般的な淡麗な酒よりも、口の中に残る旨みが強い気もする。じょっぱり!というのは、こうした後味にあるのかもしれない。自然の冷蔵庫である海上の外気で少し冷やして飲めるのならば、きっと潮の香さえ漂う気がして、余計においしい気がするのだとと思う。

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