日経新聞(読売新聞だったかな)の日曜版の書評欄は、オススメの本に巡り会うための、とても良い機会を提供してくれます。読書にはその人の好き好きによって偏りが生じますので、☆☆☆☆☆の書籍を無条件に手にとって読んでみることは、新しい世界の広がりにも繋がる!と思います。
「おとうさんはねえ、ヒモじゃなくてリボンだよーー「時給かなりマイナス男」の専業主夫・常雄が、野川沿いの道を3歳のタロウと歩きながら発見した、新しい“シュフ”の未来。著者新境地!」とあります。リボンといえば「リボンの騎士」を思い出します・・・。結婚相談所で出逢い、結ばれた大野みどりと小野常雄(愛称・妹子)。みどりは年収650万で書店の店長、妹子はアルバイト暮らしで年収180万。
「誰にでも書ける文章で、誰にも書けない文章を書きたい。」山崎ナオコーラさんは、斬新な視点で、色々なエッセイを書いています。「お金じゃないものを、生み出す。」お金では買えないもの、かけがえのないものについて、考える良い機会を提供してくれます。
「経済の心配なんてしないでよ。私が妹子を幸せにしてあげるからさ。」そんな言葉を掛けられた、「時給マイナスの男」と思っている妹子の胸中は、とても複雑だったのでしょう。140ページは、すぐに読み終わってしまう分量ですが、パートナーに投げかけている、一つ一つの言葉の重みについて、色々と考えさせられる作品でした。