千葉県野田市には、「七光台(ななこうだい)」という場所があります。昭和の初期には山林地帯だったところを、開拓者たち「七福開拓組合」と「光風台開拓組合」が切り開いたそうです。二つの文字を取って「七光台」。何だか、縁起の良さそうな名前です。清水公園キャンプ場へ下見に行った帰り道に、立ち寄りました。
七光台温泉は、イオンタウンという広い商業施設集積地にある、天然温泉です。アクセスは、東部アーバンラインの七光台駅から、徒歩20分。無料シャトルバスは無く、公共交通機関は、2時間に約1本が巡ってくる、野田市の「まめバス」だけ。商業施設イオンタウンに、広大な駐車場がありますので、クルマでのアクセスが前提のようです。
「七光台温泉」は、平日たったの630円、祝祭日でも730円です。天然温泉で、広いサウナもある施設としては、格安料金です。近くには、ニフティ温泉ランキング上位の「のだ温泉ほのか」もありますが、あちらは平日1,220円、祝祭日1,420円。七光台温泉は、非常にお得です。
一切の加水を行っていない、44.3度の掛け流しで、透明で塩辛い、ナトリウム-塩化物強塩温泉です。毎分581リットルは、かなりの湯量です。サウナは2種類あり、スチームの方は湯気がもうもうとしてますが、ドライサウナは広々としていて、30人は入れそうです。露天風呂には、3つの壺湯、源泉の溢れる上湯、やや温めの下湯、寝湯、寝っころび暖床があります。
一方で、リーズナブルな施設だけあって、空いていると期待して訪れた平日の午後でしたが、地元の方々で溢れていました。9割が高齢の方々。回数券を買えば590円で利用でき、スタンプカードも利用できます。地元のおじいさん方の社交場のようでした。
マナー、という言葉がありますが、そこにいる9割の方々が快適ならば、残り1割である、その他地方からの来訪者(私のような)にとっては、それば「文化の違い」として寛容すべきなのかもしれません。サウナ室内での腹筋体操、露天風呂内でのストレッチ体操、水風呂の使い方、冷水機での・・・。
一方で、 従業員の方々は、とても好印象でした。館内で通りかかれば爽やかに挨拶してくれるし、訪問時の説明も、とても丁寧でした。施設自体は、やや年期を感じるところもありますが、食事コーナー、休憩コーナー(マンガもあり!)、お土産コーナーなど。「スタッフおすすめ、りんごスティック」「今週の第一位、岩泉ヨーグルト」といった手作りのポップは、全国展開の大型チェーン店よりも暖かい印象を受けます。
野田市は「キッコーマン」などの大きな工場もありますが、昔ながらの農家道や畑、原野のような竹林、杉林も散見されます。七光台駅までは徒歩20分、二つの踏切も通りますので、25分は見積もりが必要です。ゆっくりと散歩する気持ちで、寄り道をしながら歩いてみることをオススメします。