スミノフ アイスウォッカ 数奇な運命をたどるブランド

「いつでも気軽に楽しめる。世界90カ国以上で飲まれているスミノフアイスは、 スッキリした甘さと、スタイリッシュなボトルが魅力の、低アルコール飲料です。」ホームページには、鮮やかな4色のパッケージが並んでいる。本商品「オリジナル」の赤ボトルのほか、爽やかなグリーンのリンゴ味、紫ラベルのぶどう味、やさしい甘酸っぱさのレモネード。

ウォッカといえばロシアだけれど、スミノフは数奇な運命を辿った末に、今ではイギリスの会社が製造販売している。モスクワで創業、ロシア皇帝御用達の歴史がありながらも、ロシア革命によって、フランスを経てアメリカ合衆国に亡命、現在の体制を築き上げ、1997年にイギリスのディアジオ社(元ギネス社)の傘下に入った。

1860年にモスクワで創業、1886年にロシア皇帝御用達になるも、ロシア革命(1917-23年)において、帝室との距離の近さが裏目となり、スミルノフ家にも処刑される人が出た。2代目のウラジミールはパリに亡命し、小規模な工場でのウォッカ製造を再開。1933年にアメリカへ亡命していた別のロシア人が「スミノフ」の製造権等を買収し、カクテルベースでウォッカを飲む文化を広め大成功。その後「ギネスビール」を主体としたイギリスのディアジオ社に買収された。

色々なバリエーションのカクテルを揃えているのも、スミノフ社が米国で広めたカクテルウォッカ・ブームに由来していそうだ。ウォッカの味を期待して飲むと、ちょっと甘すぎるかも。ウォッカベースのカクテルだと思えばこんなものかなと思う。

レモネードのようで飲みやすいけれど、糖分も多めなので、一度に飲むには、このくらいの分量がちょうど良さそうだ。放っておいて、忘れたころに冷蔵庫の奥で見つけられたら、ちょっと嬉しくなるようなミニボトルだ。

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