手紙屋、蛍雪編 喜多川泰

作者のもう一つの代表作「手紙屋」と対になる本のようだ。どうして勉強するのかということを、受験生に語る手法で色々な角度から語っている。前作は就職活動をしている学生を、今回は大学受験を1年半先に控えた高校生を対象として、手紙のやりとりという、とても分かりやすい、読み手にとっても読みやすい方法で説明してくれている。

この本を読むまでは、子供にかけるアドバイスとして、大学ぐらい出ておかないといい職業に就けないとか、平均年収が下がるとか、将来の不安を煽る様な言葉しか思い当たらなかったが、それが見当違いだということを学ばせてくれる作品だ。

・勉強を一つの道具としてみる。その正しい使い方を考え、自分を磨くために使う。
・できることを増やしていけば、人生に意味が生まれる。意志の力が必要。継続には想像力を利用する。
・家に帰ってから最初に座る場所で人生は変わる。できるようになってからが、本当の始まり。
・「人」に興味を持つことで、「もの」を好きになることができる。

この作品の主人公の女子高生のように、素直な気持ちで自分を変えられる人ばかりではないかもしれないが(自分も含めて)、何のためにべ供するんだろう?何のために大学に行くんだろう?という問いに対して、親の立場としてつい発してしまう「あなたのために言っているのよ」「自分が困らないように」という、今考えれば全く方向はずれな回答をしないためにも、とても参考になる作品だ。

勉強をしないで困るのは自分じゃない、という問いが投げられ、とても丁寧に仕組みを解き読ませてくれる。別の作品「ソバニイルヨ」でも出てきたフレーズだ。作者の作品に一貫して流れるテーマを、この作品でも感じることができる。

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