雨上がりの杜甫草堂(2019成都_11)

杜甫草堂(とほそうどう)。成都市の二大落ち着くスポットの一つに数えられる。唐の時代の詩人、杜甫が暮らし場所にある。森に囲まれたような緑豊かな庭園。折しも雨上がりの訪問となり、気温もやや下がって涼しくなり、雨後の竹の香りが漂っていた。

「国破れて山河在り」で始まる、「春望」という杜甫の詩は、誰しもがどこかで聞いたことがあると思う。

国破山河在 城春草木深
感時花濺涙 恨別鳥驚心
烽火連三月 家書抵万金
白頭掻更短 渾欲不勝簪

国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火(ほうか)三月(さんげつ)に連なり 
家書万金に抵(あた)る
白頭掻けば更に短く
渾(す)べて簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

杜甫さんは、李白さんのようにお金持ちの公務員の家には生まれなかった。杜甫さんは詩聖、李白さんは詩仙、と呼ばれている。展示館の中には、中国を代表する詩人たちの同造、作品などが陳列されていた。

園内の至るところにある、杜甫さんの銅像は、製作者によって、顔立ちが異なる。お会いしたことがないので、それぞれの思いが乗せられているようだ。庶民の中で詩を編んできた杜甫さんのほうが、愛着を感じる人が多いと聞くのも、納得する。

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