小川町 珈琲青木堂

秋葉原電気街を歩き疲れたら、羽休めに万世橋を渡ってこちら側へ来てみよう。

万世橋に続く大きな交差点にある、小さな喫茶店。はじめはカバン屋と見間違えるかもしれない。私と入れ違いで一人客が出ていった。平日の朝九時、客は私一人。やがてもう一人。女性が一人でも入りやすい雰囲気だ。

小雨の降る朝だったので、店内で手提げカバンや財布など革製品を売っていた。三角形の店内は、コージーというのだろうか、それぞれが一人になれる空間が、大通りから一つ壁向こうにあることに少し驚いた。

年配のご夫妻が丁寧に作ってくれるモーニングセット。厚切りのトーストにマーガリンを塗る。熱くてスッキリとした味わいのコーヒー。ゆで卵に、ドイツアルプスの岩塩をふりかける。この岩塩、トーストにも合いそうだ。

店内の小窓から、交差点を行き交う人々が見える。信号待ちで傘をさしている人たち。ゆっくりとしてピアノクラシックが流れる店内とは好対照で、まるで忙しく会社に向かう自分を見ているようだ。電気街の喧騒を抜けて一息つける宿り木のような場所。

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