東京都には、大黒湯という銭湯が、少なく見積もっても、三つある。台東区、文京区、そしてここ、新宿区だ…と思って浮かぶよく見てみると、ごめんなさい、大黒湯ではなかった。大きな星の湯、大星湯。都営新宿線の曙橋駅から徒歩5分にある、大星湯だ。
隣にはコインランドリーが付いている。お風呂に入りながら、体も服も(心も?)きれいにできるのは、良い。入り口の横には、銭湯の内部を説明した写真もある。高齢者見守りあんしん銭湯。AEDも完備。コンセプトもしっかりしている。お子様用の椅子は、男湯では、見つからなかった。
番台には、西洋画が掲げられていたり、南フランスの女性がここ大黒湯の銭湯絵を褒めている記事が貼られていたり。タオルのレンタルセットは100円。立派な松の盆栽が置かれている。文庫本の貸出しコーナーがある。脱衣場にはテレビが吊るされていて、夕方のニュースが流れていた。
浴室内は、真ん中に柱があるので、何となく狭く感じるかもしれない。電気風呂と、普通のバブルジェット風呂、水風呂が、並んでいる。サウナもあり、500円の別料金だ。お湯は、丁度よい加減だ。熱くは、無い。個人的には、もう少し熱くても良い。見上げる銭湯の壁の絵は、小さなタイルの破片で描かれた、海洋に浮かぶヨットの絵。女湯の方は、ロマンチックな湖畔に浮かぶボートに乗った、恋人どうしだろうか。
たまたま見かけてしまったが、年配の方々が少し、やんちゃな様子であった。風呂の中で顔をザブザブと洗ったり、水風呂で水をかぶって、頭をかいたり。脱衣場にも、髪染めの使用はお控え下さい、咳(せき)のマナーに気をつけましょう、と、見やすい大きな字で書いてあった。「高齢者銭湯」を打ち出すにあたり、一部の高齢者の行為に対して、銭湯側のご苦心も、多分にあるのだと思う。