11月20日。寒いけど空気は澄んでいて、冬の訪れを感じさせる。ちょっとした記念日のため、やや高いお酒を買ってしまった。栓を開けた途端、フルーティーな香りに気がつく。香り高い。さすがは大吟醸。吟醸香が喉からフワーっと鼻へと抜ける。
次男が優しくも少し分けてくれたカラムーチョの辛さが不思議と調和する。日頃から親しんでいる普通酒とは明らかに違う香り高さ。値段の高さは気にしてはいけない。良いお酒を飲む経験はプライスレスだ。少し酔ってきた。
白鶴酒造株式会社。神戸市の東灘区にある。白鶴酒造博物館、というのがあるのだそうた。酒造りの工程が体験できるのだという。利き酒コーナーも魅力的だ。息子が成人したら一緒に行ってみたい、と思うのは、どこの親父も同じだろうか。
気がつけば、と言うにしては挨拶じみていて無粋かもしれないが、もうすぐ師走、年の暮れになる。正月には日本酒を携えて、実家に挨拶に戻るのが習慣になっている。年老いた父の好きな銘柄を選んで持っていこう。