にごり酒 五郎八 菊水酒造

朝の通勤時。家を出て電車の駅へ入るまでの道、風がとても冷たく感じるようになってきた。手袋が必要かな、と思い始めたら、それはもう、冬がやってきたということなのかもしれない。通勤前から心早いけど、今夜は温かい日本酒で血管を温めよう!と思うと、一日の仕事も張り合いが出てくる。

寒い冬は、熱いお燗が定番だけど、もう一つの主役が「にごり酒」。温かいお風呂に入った湯上がりに、少し冷えた、にごり酒を、透明のグラスに注ぐ。窓の外に雪などが降っていると、風流さが際だって、なお良い。真夏にエアコンの効いた部屋でグツグツ鍋のすき焼きをつつく楽しみにも似ている。

一般大衆向けの、にごり酒といえば、菊水酒造の「五郎八」が筆頭選手。「ごろはち」と読む。新潟・越後民話に登場する、山賊頭領の名から命名したそうだ。「五六八」だと「いろは」とも読めますし、花札でも「かぶ」という役らしい。縁起がいいようだ。大体どこのスーパーやディスカウントストアにも並んでいる。ホームページでは、「もはや冬の季語。」とまで言い切っている。お米の粒々とした口あたりと、濃厚でコクのある味わいは、秋冬の旬料理と、抜群の相性だ。

ちなみに、「越後民話に登場する、山賊頭領」を調べたが、具体的なものが見つからなかった。「越後の兄弟」や「山賊の弟」という話が、近そうだ。「日本昔話データベース」には、全1474話が収録されている。フジパンさんのホームページも見やすい。探していく過程にも新しい発見があり、ちょっと楽しかった。

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