「父の日に、バンビ公園にて」 松尾健史

落ちこぼれの27歳のサラリーマンが、ある日「バンビ公園」で、自分のことをよく知る少年にであった。くすぶった人生を送っていた彼が、変わろうと思う強いきっかけをくれたのは、以外な人だった。

喜多川泰さんが設立した学習塾の、聡明舎で学んだ方のようだ。横浜の風景も少し登場する。著者紹介をみたら私も通っていた大学の名前があった。教育学部だろうか。少年の立ち居振る舞いや、心情の描写がみずみずしい。

短い物語なので、すぐに読み通せるだろう。ストーリーは意外性も少なく、結末にいたる過程が途中で予期できてしまうかもしれない。記載はないが、輝かしい少年時代から大学時代までの間に、どうして落ちこぼれていってしまったのか、という過程にも興味がある。

いずれにしても、共通テーマである「素晴らしい出会いによって、人は、何時だって生まれ変わることができる」ということが伝わってくる。主人公の、根は素直で純粋なところも共感が持てる。挿絵のバンビの顔がとても愛らしい作品だ。

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