増上寺は、東京都港区にある、大きなお寺。浄土宗の七大本山の一つで、歴代の徳川の将軍様が眠っていらっしゃるそうだ。最寄り駅は、都営三田線の、大門駅。増上寺の正門から近いことから名付けられた。港区役所も近く、都心の真ん中にしては比較的、もの静かな空気をまとっているる。
芝公園が近くにあって、夏場は屋外型のプールが開放される。平日はとても空いていて、東京タワーを見上げながら、広々と泳ぐことができる。最近はスカイツリーのほうが商業的に脚光を浴びているけれど、現地に来てみると、改めて東京タワーの素晴らしさを感じる。周囲の環境が観光的に調和がとれている。増上寺、東京プリンスホテル、芝公園の広場、青松寺や恵光寺などの閑静な寺社。その中にあってこその、東京タワーだ。
一方で、スカイツリーとその商業施設ソラマチは、それだけで独り立ち、完成しているけれど、地元の下町・押上とは、あまり良く馴染んでいない気がする。スカイツリーのお客さんたちが、押上の、たとえばおしなり商店街へ入っていく流れには、なっていない。スカイツリー周辺の銭湯にも通ってみたけれど、地元にとってスカイツリーは見上げるものであり、東京タワーとその周りの景色ほどの調和が生まれるには、まだ時間が必要なのかもしれない。
大きな門をくぐると、増上寺の本堂が、東京タワーを背中にしながら、威厳のある佇まいで構えている。連日の猛暑が続く東京都心だけれど、ここだけは、なぜか涼しく感じられる。緑に囲まれ、木々が多く、涼しげな風がすーっと通り抜けてくる。セミは相変わらず、元気に鳴いている。同じくらいに元気な太陽が燦々と照り輝いていて、それでも木陰に入れば涼しさを感じられて、アイスコーヒーが美味しくて。こうした「涼しさ」は、夏にしか味わえない。日本の夏の、醍醐味を感じられる場所だ。