JR総武線の錦糸町駅は、南口と北口で、やや異なる景色が広がる。このパン屋さんカフェ、浅野屋さん(Boulangerie ASANOYA)は、南口のほう。テルミナという駅ビルにある。南口は、楽天地という、昭和の初期から栄えてきた映画館を中心とした歓楽地があって、今も映画館が4ホールを展開している。
お盆休みの日曜日。子どもたちが「ワンピース、スタンピード」という、騒がし気な映画を見ている間、ブックオフで108円であった鬼平犯科帳を読みつつ、324円の焼きカレーパンを食べる。ここはレーズンパンが美味しいようだ。焼きカレーパンのほうは、何というか、そこそこ美味しかったが、次は別のにしてみよう。
このお店は、南口の駅ビルから、楽天地の一角へと渡る交差点の手前にある。ポケモンゴーのクルクルスポットが4つも接しており、愛好者(私も)にとっては良い場所だ。私のスマホは少しGPSの性格が自由奔放なので、周りのクルクルスポットを勝手に巡回するので、アイテムを集めるには都合が良い。たまにバトル中に現場から勝手に離れてしまい、やり直しになってしまうけど。
店内は比較的ゆったりとしたイスやテーブルの並びて、一人用の席が多めだ。閉鎖されているので、大通りの騒音は、さほど感じない。今日はたまたま、金切り声を拡散する元気活発なお子様がいて、あまりリラックスできなかったが、その一点を除けば、快適な空間だ。充電用電源も各席に完備している。
一方で、お年寄りの方々が、意外と多い。タブレットをサクサクといじっている、おじいさんの横で、おばあさんがオレンジジュースを飲んでいる。別のテーブルでは、洒落た小さな麦わら帽子のおばあさん、競馬新聞を片手に馬券シートにしかめ面のおじいさん。一昔前の錦糸町といえば、モダンボーイやモダンガール(モボ、モガ)の集まる繁華街だったはず。歴史を見守るパン屋さんにて。