成田駅から、ほんのひと駅。「下総松崎駅」は、周囲360度を黄金色の田園と緑豊かな大自然に囲まれた、無人駅的な駅です(無人では、ありません)。都会の喧噪に疲れた、中年のおっさんたちの誰もが憧れる「千葉の田舎駅」といえます。
ただし、「ほんのひと駅」といっても、都心の地下鉄でいう「ひと駅」分の距離ではありません。京成電鉄で京成成田駅まで行った後、JR乗り換えの電車賃を惜しんで「ひと駅分なら歩こうかな」と考えると、予想以上に「いい運動」になってしまいます。(徒歩1時間15分!)
「温泉に入る前の、適度な運動」でしたら、駅から目的地までの徒歩(20分くらい)でも十分です。マイナスイオンを感じたい場合は、右回りルート(?)で「坂田ヶ池総合公園」を通る、緑豊かな道がオススメです。ちょうど8月で新米収穫の時期でしたので、農家の門前の道に、稲柄が一つの線となって、田んぼまで続いていました。
目的から少し外れますが、この「坂田ヶ池総合公園」が素晴らしく大自然です。探索するに丁度よい広さで、キャンプ場もあります。温泉・キャンプ・駅近・大自然。周囲にコンビニが無いという不便さも、かえって良い味を出しています。
1時間ほど寄り道をしつつ、やっと目的地に到着します。週末の午前中なので、お客さんも、まばら。「アソビュー」の割引クーポンが使えました。
休憩用ロビーの大きな窓からは、壮大に広がる田んぼの風景を楽しめます。さほど大きな施設ではなく、ちょっとした別荘に来たような、落ち着いた感じがします。座り心地の良い椅子がいくつかあります。お気に入りの小説を持ち込んで、一日中ゆっくり過ごせるような施設です。
浴場は3階層になっていて、最上階にサウナと水風呂、その下に露天風呂、その下に休憩(整い)コーナー。階段では足元が少し滑りやすく、注意が必要です。導線的には、やや不便です。通常のスパ施設が、同じ階層にすべて配置されていることの便利さを、再実感できます。それでも、自然に囲まれた眺望のよさ、吹き込んでくる風の気持ちよさが、それらの不便を帳消しにしてくれます。
サウナ室は、なんと、奥の大きな窓際に、大きな窓で景色を眺めながら、寝そべることができる一角があります。室内温度も控えめなので、長時間のサウナが楽しめます。水風呂はさほど冷たくなく(22度!)、むしろ温め。全体的に穏やかな雰囲気のスパで、ガッツリ系のサウナとは違った良さがあります。
整いスペースには、藤椅子があります。カクカクっとしていて、少し座りづらいのですが、景色の眺めが良いので、それだけでも十分に整います。温泉は黒湯の塩化物ナトリウム系ですが、塩っぽさは少なめ。弱アルカリ性で、肌触りの良さが特徴的です。
帰り路。電車の本数が少ないので時刻表をチェックしましょう。周囲にコンビニは無いのですが、下総松崎駅の自動販売機には、なんと「イオンウォーター」があります!駅長さんはサウナ好きなのでしょうか(笑)。
広がる田園の風景を楽しみながら、電車が来るのを気長に待ちます。青空の広がる夏の昼下がり、駅舎の木陰から黄金色の田んぼを眺めながら、イオンウォーターを飲みます。理想的な田舎のような、贅沢な時間が流れます。それぞれの季節に訪れたい、お気に入りの場所になりました。