北京市内の日本大使館の近くに、SOLANA藍色港湾という、ショッピングモールがある。これが非常に立派な内容で、大使館員の奥様たちが週末にショッピングを楽しむために作られたのかと思えてしまうほどに、隙間の無いヨーロピアンな雰囲気の構造物集合体となっている。
出張の最後の日の夕方に、こちらの事務所の方々が夕飯をご一緒してくれる機会をいただき、日曜日なのに申し訳ないと思いながら、予定時刻より少し早く、この場所に来ている。マックでカフェラテ(15元、280円位)を買い求めて、湖の見える公園の広場で、残り少なくなった週末を楽しむ家族たちや若者たちを眺めていると、自分も早く帰国したくなってくる。
このショッピングモールは、朝陽公園という、北京で一番大きいという公園に面している。湖の水面は意外ときれいで、周りでは小鳥たちが春の柳の影で遊んでいる様子が見える。
マックカフェは日本と同じ味。世界でここまで味を統一できるこの世界企業の偉大さには感服する。値段もリーズナブルだ。店内では日本と同様に、子どもたちがワクワクしながらキッズトイを開封したり、それを見守る親御さんたち、といった風景があった。
パーク内を歩く家族の様子を見ると、まだ一人っ子が多いようだ。両親と手を結んで真ん中に子ども、というケースを良く見かける。やがて日は落ちてきて、安息の日曜日が終わると、慌ただしい月曜日がやってくる。人々の生活がまわっている。日本でニュースに聞く「中国」という現象の多くは、何かの事件であったり、風変わりな習慣であることが多いけど(そうしないとニュースとして注目されないのだから仕方が無いのだが)、日本でも中国でも、同じような日常風景があるのだと思うと、何となく安心してくる。