月桂冠 ザ・ショット 華やぐドライ 大吟醸

THE SHOT。かっこいいパッケージデザインだ。カテゴリー的には、いわゆる「ワンカップ大関」の仲間に、入るはずだ。それなのに、なんたろう、この高級感、センスの良さは。キリリとしたジェットブラックの背景に、透明感のある稲の穂が映える。ワンカップ大関を新宿中央公園で飲むと「おっさん」であるが、こちらは池袋西口公園で持てば、石田衣良になりそうだ。ダンディー感にあふれている。

大吟醸、生詰。180ml。透明感のある、フルーティーなお酒だ。懇親会の帰り道、コンビニで購入。家の冷凍庫(短時間)に入れ、ふろから上がった後に、少し冷えたのを確認して、飲んでみる。すっきりと美味しい。量が少ないので、希少な感じもあり、余計に味わえる。

新幹線の中で、アタリメやピーナッツと一緒に味わうのに最適な分量だ。例えば金曜日の夜、出張からの帰りの新幹線が連想される。比較的、空(す)いている、「こだま」や「ひかり」の自由席に乗車し、前の座席を回転させて、靴を脱いだ両足を投げ出しながら、フーヤレヤレといった感じで、流れゆく車窓の夜景色を眺めながら、ぜひ飲みたい。

折しも中秋の名月を祝う「中秋節」であり、会社では「月餅」というお菓子が配られた。自宅のベランダで、雲間に隠れつつ、ときどき顔を出すお月様を見上げていると、秋の風がスーッと流れてくる。夏の星座たちも、西の空への引っ越しを始めている。真ん丸なお月さまは、真っ白な飴玉のようだ。美味しそう。その周辺の夜空を、まるで綿飴のような薄雲が包み込んでおり、静かに照らされている。このお酒、ザ・ショットの、パッケージ図柄のような雰囲気だ。

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