【江戸川区】日の出湯 正統派下町銭湯

まさに、最近まれに見るような、正統派の銭湯である(ちょっと大げさかしら)。破風造りの構えに、広くてゆったりとした待合室、番台で迎えてくれる七福神のように優しげな女将さん、冷えたオロナミンCなど。江戸川区、松江にある銭湯、日の出湯。近くにあった別の銭湯が閉店してしまったが、日の出湯さんは、まだまだ健在だ。

脱衣場からは縁側へ出られる廊下があり、草木の茂る小庭がある。下町的な風流だ。竹簾(たけすだれ)の間からは涼しい風が吹いてくる。ベンチ椅子には「明治スカット(グレープ、オレンジ)」とペンキで描かれている。湯上がりの90歳くらいのお爺様か、庭園のほうへと涼みに上がり、濡れたタオルを絞る様子など、まさに銭湯的な光景だ。

立派な屋根飾りも

大浴場。水色と白色の壁が上のほうまで続いてて、高い天井を見上げる。湯気が立ち上っていく。まさに一軒建ての銭湯の良いところは、この天井の高さだ、と思う。風格すら感じる(言い過ぎかしら)。浴槽は二つあり、大きい方はややL字型に長く広がっていて、黒い溶岩石を型どった噴出口から、お湯が流れ落ちてくる。小さい方の浴槽は、鉄製の手すりで区切られていて、中央がやや深くなっている。座り込むと、ちょうど足の裏と、背中に、バブルジェットが当たるようになっている。なかなか気持ちがいい。

シャワーコーナーが二つあるのも親切だ。利用が重なることが多い。シャワー口が大きく、水の出が良い。湯上がりに冷水で体を流すのに丁度いい。大浴場の壁には、時計がないようだ。時間が立つのを忘れて、お湯を満喫できる、ともいえる。のぼせないように注意。。

すっかり気持ちよくなり、出上がった先の待合室には、大きな額縁に、鶴を刺繍したような絵が飾ってある。テーブルもソファーも、銭湯の待合室の風景にとても合っている。余計なものがなく、必要なものを備えた、正統派の銭湯という感じがする。行き交うお客さんどうしの何気ない会話も、何となく心あたたまる。天気の話、家族の話、ご近所さんの噂(けっこう気になる)。女将さんの人柄が出ているのかもしれない。いいお湯をいただきました。

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