心は創造の達人である。私たちの思いが、私たちの人生を作り上げる。私たちの環境は、その結果として野、鏡に他ならない。よい心、未来のビジョンが、私たちを作る。当たり前のことのようにも聞こえるが、それを実践できている人は(私も含めて)さほど多くはない。だからこそ、こういった言葉が心に響くのだろう。
心は庭であり、どんな種でも育つ。野放しにされていれば雑草も映えるだろうし、良い種を植えてしっかり育てることもできる。これは良い表現だと思う。すぐには育たないけど、良くあれ悪しくあれ、原因と結果の法則には逆らえない。
著者のアレンは1864年生まれ。若くして他界したが、作家として活動をはじめてから短い間で19冊の自己啓発の本を書き上げ、現代成功哲学の祖として、その後の作者たちに強い影響を与えてきたそうだ。成功の影には努力がある点、素晴らしい点も述べている。「金持ちは悪いことをしたから金持ちになったんだ」という、日本の週刊誌が好きな変な空気を真っ向に否定している点、成功を全面肯定している点は、とても英米的だと思う。そういえば、日本語には判官びいき、という言葉があるが、英語に似たような表現はあるのだろうか。
薄くてシンプルな内容だけに、誰にとっても読みやすい。このベーシック版は、中学生にも読めるように、という思いで書かれているという。英語の原書でも読みたい作品。