東京メトロ東西線の南砂町駅から、徒歩10分程度。昭和5年に建築。長らく地元の方々に愛される、昔ながらの雰囲気を随所に残した銭湯です。
冬の日曜日、すっかり日暮れて夜も近い頃。葛西方面から荒川を渡って歩いてきた私にとって(すごく寒かった)、グーグルマップを頼りにたどり着いた不二の湯さんは、まさにオアシスのような所でした。湯暖簾をくぐると、玄関のカウンターで、ご主人が暖かく迎えてくれます。椅子が二つあります。ちょっとした湯上がりの待ち合わせに、良さそうです。
ちょうど夕食時ということもあり、お客さんは私一人だけ。退場時に、地元の年配の男性が入ってきましたが、大きな富士山が描かれた大浴場を、ゆっくりと使わせてもらいました。四角い大浴槽には、電機風呂とジェットバブル。円形の大浴槽では、中心に向かって、さほど長くない足を伸ばせます。ちょっとお湯が深いようで、普通に座ろうとすると、おぼれそうになります。座高に自信のある方には、オススメです。お湯は、かなり熱いです。
脱衣場には、健康増進のための、ウォーキングマシーンがあります。水飲み用に冷水機もあります。縁側には、大きな岩を配置した、ちょっとした日本風の出庭を楽しめます。昔ながらの下町の銭湯を思わせる、全ての物がある!といった雰囲気です。設備は色々と年季が入っていますが、清掃は行き届いて、清潔感があります。
一方で、若い方にとっては、少し物足りない、と感じるかもしれません。最近の20年間で、南砂町駅の周辺景色は大きく変わりました。昔は倉庫や工場だったところが、スナモ、イオンといった大型商業施設や大規模マンションに代わり、若い人口も増えているようです。すぐ近くでは、新しいマンションの建築も進められています。良い所を残しつつも、より魅力的な銭湯作りにチャレンジしてもらいたい、とも思いました。