鬼の三兄弟 コンビニの紙パック酒、「鬼ころし」たち

「我々は、幸福になるためよりも、幸福だと人に思わせるため四苦八苦している。」17世紀のフランス文学者、ロシュフコーの言葉だ。

フェイスブックには楽しそうな写真が並び(楽しそう!)、インスタでは美味しそうな料理が目に付く(食べたい!)。わざわざ高そうなお酒を無理して購入し、さも美味しげにレビューしたい、という人間的な欲求は、誰にも否定できるものではないと思う。

そこで、敢えて安いパック酒に注目し、クリックされてもさほど小遣いにもならないアフェリエイトリンクを貼ってみることこそ、そんな常識に対するアンチテーゼとして、私に課せられた使命であると感じる今日この頃なのである。(注意…安酒で少し酔っています。)

ローソンのお酒コーナーに仲良く並んでいることが多い「パック酒三兄弟」を紹介したい。一つ税込み105円。もしかしたら容量あたりでは、ワンカップ大関よりも安いかもしれない。揃いも揃って「鬼ころし」という。敬意を払いつつ、鬼の三兄弟、と呼びたい。

清州城信長の「鬼ころしミニ」。アルコール度数は14度。「お米の命が生きてます」の芳香美酒。清洲桜醸造株式会社。鬼の小顔がかわいい。愛知県清州市。冷で飲み始めたけど、うーん、熱燗にしたほうが、この華やかさが引き立ってよい。

日本盛の「鬼ころし」。「キレ味冴える辛口」での、大盃一献。気難しい感じの赤鬼が、盃を掲げている絵がある。兵庫県西宮市。

「ゴールド鬼ころし」。この中では一番豪華そうだが、じつは2円ほど安い。なんだか、ゴールデンメタルスライムのようだ。「上撰15度、糖類無添加」というのが特徴だ。極上ノ辛口。「格上のキレと、コクある飲み応え。その証として、ゴールドと称す。」もろみ四段仕込みは、創業文化5年(1808年)の小山本家酒造。埼玉県さいたま市。

どれもそこそこに、美味しかった。その中でも敢えてどれが一番か!といえば、「ゴールド鬼ころし」かしら。ストローで日本酒を飲むと、酔いが早く回りそうだ。色々とアレンジして飲めるところも、日本酒の奥の深さ、懐の広さなのかもしれない。

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