ハロー・ワールド(HELLO WORLD)野崎まど

コロナウイルスへの対策で、地域の図書館も閉鎖中のきょうこの頃。そんな中、子供が貸してくれた小説「ハロー・ワールド」を読んでみた。平凡な高校生男子である主人公は、ある日突然、自分の住む世界が「シミュレーター内に再現された過去の世界」であると聞かされ、「先生」と呼ぶ未来人の指導の下、大事な人に将来降りかかる死の運命を回避するため、恋愛完全マニュアルを手引きに、好意を寄せたことのない女子学生とのお付き合いを始める。

2019年にアニメーション映画として公開された(見ていないけど…)。お話の背景は、今の複雑なネット社会よりも更に未来的な内容で、世界観を理解できるようになるのに、さほど若くない一読者としては、時間がかかるかも。それでも、グーグルの便利で様々なサービスが実生活のありとあらゆる部分に浸透している現在、その延長線上にも生じうる未来なのかな?という気持ちにもなった。

書き換え可能な記録と、それを見張る監視型AI装置とのやりとり。視点を変えれば、どちらが正義なのだろう。オンラインゲームの中にいるAIキャラクター達も、こんなふうに感じながら、生きているのかしら。クライマックスでは、体現止めの文章が続く。文章はテンポ良く進んでいく。アニメーションでも観てみたい。

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