剣客商売 14 暗殺者(池波正太郎)

テレワークは、肩が凝るのと、目が疲れるのと、腰が痛くなるのと、足がむくむことを除けば、健康的な働き方といえるかもしれない。掃除や洗濯といった家事、子供たちの昼食の支度なども出来る。ご家族への介護が必要なご家庭もあるだろう、と思う。コロナが収まったら元の働き方へ戻るのではなくて、新しい働き方を受け入れることも大事なのかもしれない。

アマゾンで数百円で購入した「足ツボ名人」という、足の裏の健康フミフミ用具は、とても重宝している。気持ちも良いけれど、半端なく痛い。かなり効く。上に載っているだけで効く。足の裏のすべてが痛い、ということは、身体の様々なところが不健康になっているのかもしれない。

剣客商売14巻「暗殺者」は、特別長編だ。凄腕の浪人剣客、波川周蔵が登場。秋山小兵衛は66歳を迎え、昔からの友人も亡くなり、何となく消極的な雰囲気で物語は始まる。ちょっとした騒動が発生しても、「もう十年も前のわしならともかく、この齢になって深入りをするのも面倒じゃ。」と考える。

それでも小兵衛、後には「いたずらごころ」を抑えきれなくなり、深入りしていき、四谷の弥七や傘屋の徳次郎も巻き込んで、息子の大治郎に「父上。落ち着いてください」となだめられるほどに激昂したり、「大治郎が女の子であったら、気を揉む必要もなかった…」なんて考えたり。

「秋山小兵衛、一剣士として父として、その血は熱く沸いた。」という紹介文が、とても良く内容を言い表している。無口で静かな波川周蔵が抜群に格好良い。人物たちの気持ちを丁寧に書けるのも、長編の良いところだ。立ち合いシーンは比較的少ないけれど、ミステリーのように引き込まれる面白さが楽しめる。

人の心は、変わるもの。無常を受け入れつつも、自分の信念から判断することの大切さが、語られているようだ。

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