日帰り「鹿の湯」那須湯元温泉(青春18きっぷ)

年の瀬が迫る12月下旬に、那須湯本温泉「鹿の湯」へ行ってきました。

今回も「青春18きっぷ」を使った日帰りコースです。前回の「日帰り・青春18きっぷ草津温泉コース」では、鈍行電車の接続が悪く、JR総武線の始発に乗るために新小岩駅まで歩きましたが(午前3時半出発)、今回は最寄り駅から始発に乗れば、午前9時台に現地へ到着できます(それでも5時の出発です)。

上野駅を5:46に出発し、宇都宮駅で乗り換え、8:31に黒磯駅へ到着予定。40分ほどバスに乗って、10時前には「鹿の湯」へ到着予定でした。

ところが、宇都宮駅から始発の宇都宮線に遅れが生じます。「線路内への立ち入り」とのこと。30分ほど遅れましたが、黒磯駅でバスは待っていてくれました。「那須湯本温泉」の玄関口は「黒磯駅」です。「草津温泉」の玄関口は「長野原草津口駅」でしたが、長野原草津口駅に比べると、黒磯駅は大都会。大きなヨークマート、駅前ロータリーからアーケード街が伸びています。

JRバスでは交通系ICカードが利用できます。平日の朝、乗客は私を含めて2名のみ。粉雪の舞う中、バスは那須湯本へ向かう山道を上っていきます。高速道路の那須インター出入口を過ぎると、かわいらしいペンションが見えてきます。お菓子の館、戦争博物館、ムーミンショップに、サファリパーク。皇族の別荘「那須御用邸」の看板も見えます(チーズケーキが有名なのかな?)。草津温泉に比べて、より現代的なリゾート地の印象です。

那須湯本温泉へ向かう一本道は、すっかり雪化粧がされています。真っ白な樹氷が綺麗です。温泉街に入ると、硫黄の香りが立ちこめてきます。終点「那須湯本温泉」のバス停留所、おしゃれな建物には待合室があり、小さな観光ガイドスポットになっています。バスを待つ間、暖房の恩恵に授かれます。

バス停から「鹿の湯」へは徒歩3分ほど。小川に向かう小道の階段を降りていきます。まだ午前中でしたので、真っ白な雪を踏みしめると、キュッ、キュッという音がします。各旅館に温泉が引かれていない頃、皆がこの小道を通って元湯である「鹿の湯」に通っていたのだと思うと、気持ちが弾みます。

今回は「湯治体験プラン」の料金を払います(1,500円)。午後3時まで、休憩室(共同の和室)を使うことができます。6畳程度の和室で、暖かい緑茶(急須・茶壺)、寝転がれる畳、石油ストーブに、タオル干しハンガーが使えます。中華料理の出前メニューが壁に掛かっています。ラーメンから各種定食まで、良心的な価格です。「鹿の湯」には食堂が無いので、重宝しそうです。

硫黄泉の香りが立ちこめる大浴場には、6つの浴槽が並んでいます。手前にある41度の浴槽は混み合っています。奥の方には46度と48度。個人的には46度がちょうど良い感じです。白い濁り湯。強い酸性で肌がピリピリします。

常連さんは「マイ風呂桶」を持ち込んでいます。ホームページでは「貸し出しがあります」とのことでしたが、現在は中止とのこと。「マイ風呂桶」があれば、浴槽からお湯をすくって、タオルで体にお湯を当てることができます。3分ほど入浴して、しばらく浴槽の周囲で休んで、の繰り返し。このときにマイ風呂桶があると、体を必要以上に冷やすこと無くリラックスできます。

奥の方の二つの浴槽(46度と48度)は、やや玄人向け?の高温で利用者も少ないため、時間がゆったり流れています。この二つの浴槽には、熱いお湯を混ぜて冷ますための「湯かき板」のようなものが、立てかけてあります。「草津よいとこ〜」という気持ちで、お湯をかき混ぜてみます。結構な労働です。テコの原理を使いましょう。

白髪で健康そうに見える80歳くらいの男性。雪の中を車で2時間半かけて、土浦から来たとのこと。2時間を過ごすそうです。温泉に入った日の夜は、晩酌が2杯になると言っていました。

もうすぐ仕事納めという、よく日焼けした40歳くらいの男性。運送関係の仕事をしていて、所沢から来たそうです。熱いお湯が好きで、草津温泉には良く通うそうですが、那須湯本温泉は初めてとのこと。48度の浴槽に、平気な顔で浸かっていました。

各浴槽の大きさは、だいたい畳2条分程度。大昔からの温泉、何万人が見上げた天井。12月の雪の日。もうもうと湯気が立ちこめていて、スノーダストが時おり舞い込みます。東京から電車アクセスも良い場所に、草津温泉にも負けない上質な硫黄泉があることに、感謝の気持ちがします。

帰りの宇都宮線。車窓には日光の山々が流れます。宇都宮駅で餃子を食べて帰りましょう。

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