【日本海】フェリーの大浴場 荒天前の日本海

銭湯は寒い季節ほど、ありがたみが大きいと感じる。12月の雪の降る新潟港から、寒い寒い日本海を経由し、空気も凍る小樽港へと到着する、日本海フェリー「らべんだあ」内にある大浴場を紹介したい。

大雪と吹雪の影響で大幅に遅れる、という事前案内が出ていたが、思いの外、早く出航できた。1時間の遅れだそうだ。私は乗船後に直ちに入浴したので、まださほど混雑していなかった。ゆっくりと湯船につかって、浴場から上がり、着換え始めたときには、洗い場にはすでに行列ができていた。

まだ出船の前だったので、露天の浴場へと続くドアは施錠されていた。屋内の浴場でも、広さは十分にあった。洗い場のシャワーからの、お湯の出る勢いも良い。風呂の湯が少しぬるめなのが残念だ。シャンプーもソープもある。

この日の前日は、東京から新潟までの夜行バスで、体を十分に伸ばせなかったので、大きな浴槽はとても気持ちが良い。足を延ばせる。これで日本海の景色が見えるようになれば、なお素晴らしいのだろう。外は寒い冬の海、中は温かな湯船、という対比はとても贅沢だ。

湯上がりのあと、そのまま食堂へ向かう。まだ昼の2時前なので、ビールは控える。600円のかき揚げそばを食べながら(見た目より美味しい。かき揚げの具材も小エビの食感が良い)、無料のお茶を飲んでいる間に、フェリーはゆっくりと新潟港を発進した。

この時点では、船の揺れはまだ少なかった。早目にお風呂に入り、ご飯を食べておいて正解だった。このあと、船は荒天の日本海へと繰り出し、遊園地のアトラクションのような状態。立っても座ってもいられず、狭い船室の寝床に横になったまま、グワングワンとダイナミックに揺れ続ける大きなゆりかごに抱かれたままで一晩を過ごした。

大浴場は大きな揺れで危険なため、夜の9時ごろには中止となったようだ。次の機会があれば、平和な環境で日本海を望みながら、露天風呂に入りたい。

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