気がつくと、季節は夏本番を迎えようとしている。夏は、とても自己主張の強い季節だ。ちょっとした風景の変化に季節の訪れを感じるような春や秋とは違って、何もしなくても、この蒸し暑さで、夏の訪れが感じられる。その上に、コロナ禍により、街歩きにもマスクが欠かせない。刹那的な涼しさ、つまりはエアコン環境下での一杯のアイスコーヒーを求める人たちによって、街中の喫茶店にも、賑わいが戻ってきたような気がする。
銀座の文房具店・伊藤屋に「たびねこ」の絵はがきを買いに来た帰り道、涼を求めて喫茶店を探した。カフェベローチェの銀座２丁目店は、伊藤屋の裏側にある。やや細めの、銀座三原通り。近くにはドトールコーヒーもある。真夏の太陽が照りつける中央の大通りよりも、少しは涼しい気がする。
店内にはベローチェが提供する無料Ｗｉ－Ｆｉが流れている。チョコミントのフラッペのような飲み物にも、強烈に心を引かれた。チョコミント、スイカ、キュウリ。暑い夏には、青い食べ物が、涼しげで良い。帰り道、京橋の交差点には、綺麗なアジサイが、青い花を咲かせていた。なんとなく、そこだけ涼しげな風が吹いているような気がした。
