◆ 筑波山神社に最も近い「政府指定旅館」
◆ 温泉は今ひとつだけど親切で食事がとても美味しい
◆ 敷地内の湧泉「杉の水」が特に良かった
創業390周年という老舗の旅館。筑波山神社の大鳥居から境内への階段までの通りには、何軒かの「政府指定(って何?)旅館」が並びます。江戸屋は数ある旅館の中でも、神社から近い場所にあります。
日帰り温泉や「足湯」も楽しめますが、敷地内に湧き出る「杉の水」と名付けられた美味しい湧水が特徴的です。温泉成分表によると、湧出量が少なく、湧出時温度も低め(殆どの温泉がそうです)。「無色、無臭」であるため、温泉に来た!という印象感はやや低めです。館内は意外と広くて、数百人は座れそうな大広間や、垂れ幕のステージ舞台など、昭和の良い雰囲気を感じます。
サウナが無いのが残念です。木々の景色を望める露天はそこそこの広さですので、サウナと水風呂、整いイスを3脚ほど置いて欲しいです(ぜひ!)。サウナは無くても、内湯はやや熱めなので、水シャワーを浴びてから岩場造りの露天風呂に腰掛けると、涼やかな風を感が感じられてリラックスできます。
宿泊客は自由に大浴場に入れます(お昼前の1時間の清掃タイムを除く)。館内売店は早めに閉店しますが、喫茶コーナーは夜9時以降も開いていました。瀟洒で広めのロビーには、ゆったり座れるチェアー、趣味のマンガや小説、特産品「がまの油売り」説明ポスターなどがあります。子供たちにはガトーショコラとかき氷を注文して、私は缶ビール「一番搾り」をプシュ。デスクランプがオレンジ色に灯るカウンターで、ゆったりとした時間を過ごせます。
敷地内の湧水「杉の水」は、夏は涼しく、冬は暖かいそうです。8月の夏真っ盛り、冷たい水はとても美味しくて、風呂上がりにロビーの給水コーナーで何杯も飲みました。新聞コーナーには茨城新聞があり、トップ記事は「県内イノシシ激減」。豚熱の影響で野生イノシシが減り、農業被害が減ったとのこと。他には地元高校の甲子園出場記事がありました。
食事場所は大広間です。十分な距離を取ってテーブルが配置されています。夕食は、当方の予期せぬ事情で到着が遅くなりましたが、親切に対応してくれました。朝食の味噌汁が特に美味しかったです。従業員の中には東南アジア系の方も何人か見られ、丁寧な日本語で好印象でした。コロナ禍でなければ、東南アジアからのお客様もお迎えできたのでは、と思います。
筑波山神社に近いため、登山時の駐車場としても便利です。嫁さんは神社で可愛い「うさぎのお守り」が買えて、満足そうでした。筑波山では例年6月頃になると、この山の固有種であるホシザキユキノシタ、が咲くそうです。今回は女体山を登りましたが、来夏は男体山を目指そうかな。その頃までにぜひ、サウナと水風呂を設置してもらいたいと思います。