酸化防止剤無添加の赤ワイン 濃い赤

サントリーの、酸化防止剤無添加の赤ワイン、濃い赤。似たような名称のものが、メルシャンからも出ている。これらのメーカーによる微妙な味覚の違いが分かるようになれば、あまり外部に対して自慢にはならないかもしれないが、相当の国産ワインの目利きになれるだろう。

味覚について。いつもどおりの甘めの国産ワイン(輸入された濃縮還元ぶどう果汁を素材にして、国内の工場で製造したもの)をベースに、少しカシスのような渋みを添加したような、ちょっと濃い目の味わいがする。少し辛口。何となく、ポリフェノール含有量も、普通の赤よりは多い気がする。それが、更に「健康にも良さそう」という気持ちに繋がり、たくさん飲むことに繋がってしまいそうだ。

「酸化防止剤無添加」というラベルは、いかにも健康に良さそうだ。酸化防止剤とは、ワインを酸化させないための薬品である亜硫酸のことを言っているのであろう。一般には、収穫したぶどうを加工するときに加えるようで、文字通り防酸化効果、殺菌効果があるそうだ。

一方で、濃縮還元の場合は、海外の産地で一度、何らかの方法で水分を飛ばして圧縮しているので、わざわざその工程で亜硫酸を加える必要は無い。そもそも加える必要の無い亜硫酸を入れていないことを「無添加」というのは、何となく上手く言い込められたような気持ちがしないでも無い。「無添・くら寿司」のようなものだろうか。寿司に何かを添加すること自体、少ないと思う。

いずれにしても、国民の健康志向を良く調査している商品だ。飲む方も「健康に良い」と思いながら、格安でも美味しいワインを楽しめれば十分。気持ちが大事。科学的な根拠を記載すること自体が野暮なのかもしれない。

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