都営新宿線の瑞江駅から徒歩で10分くらいだろうか。東部区民館をすぎたくらいから、畑のが見えてきたりして、景色が和んでくる。江戸川区江戸川一丁目。エトワールモールという小さな商店街の中ほどに、第二寿湯が見えてくる。ここに来るまでの間、大きな通りを横切らないのが、静かで良い。
昔はこのあたりに住んでいたので、目に入ってくる風景のいろいろな所に、懐かしい馴染みを感じる。第二寿湯は、昔ながらの銭湯で、番台のおばあさんは、昔からおばあさんだったけど、これからもおばあさんなのだろう(どうかお達者で)。以前、子供が靴箱のフダを無くして(脱衣場で紛失したのだけど、なぜ無くなったのかは今も謎だ。)、修理代として300円を預けたことは、もう覚えていないかもしれない。脱衣場は、さほど広くはないのだけれど、時代を感じながらも清潔で、落ち着きがある。缶ビールや、ラムネが置いてある。いずれも良心的な価格だ。
大浴場の壁には、駿河湾から遥かに眺めているような、大きな富士山が描かれている。松林が続く海岸に、白波の立つような立派な風景と一緒に、江戸川区の銭湯のキャラである「お湯の富士」という、お相撲さんのゆるキャラが、小さな島の上に立っている。湯船には、電気風呂、ジェット風呂、薬草風呂がある。それらは、やや刺激が強いので、落ち着いて浸かれるのは湯船の半分くらいだけど、工夫している点は良いと思う。
以前には、このあたりに、もう一つの銭湯があったのだが、親父さんがご病気で倒れてから、閉店してしまった。お湯から上がったあとに、応接室のようなソファーでくつろげる、まったりとできる銭湯だった。家族経営が多い銭湯にとっては、経営者の健康や後継者に関することは、とても深刻な影響を与えているのだろう。何か応援したい。このような文章を書いていることが、応援になっているのか分からないけど、番台のおばあさんも、どうかお達者で。