江戸川区の船堀駅周辺は、「銭湯タイプ温泉の黄金地体」と勝手に呼んでいる地域ですが、位置的にはその船堀と西葛西の間に、小島湯があります。船堀街道を南下して、新川を過ぎたあたりで、やや東寄りに荒川方面へ緩やかにカーブする、棒芽場(ぼうしば)通りがあります。棒芽場、という名前の由来は定かではないそうです。小島という都営バスの停留所の近くに、「小島湯」があります。船堀が「船のお堀」であったのならば、このあたりは、まさに「小島」だったのかもしれません。
ところで、江戸川区の船堀には、温泉を湯源とする3つの銭湯があります。すなわち、鶴の湯、乙女湯、あけぼの湯、です。それぞれ徒歩距離圏内にある上に、大規模ネコ型スーパー銭湯「招きの湯」も君臨しています。江戸川区役所が船堀へ移転してくる、という話もあります。東京三大タワーの一つ「タワーホール船堀」もそびえ立ちます。船堀は、まさに「江戸川区の首都」といっても過言ではありません。老後に住みたい地域の一つですが、ゼロメートル地帯でもあるため、嫁さんには、あまり受けが良くないようです。
さて、そんな聖地・船堀からは少し離れたところにある「小島湯」さんですが、これがまた立派な、一軒建て破風造り本構えの銭湯です。大きな浴場、高くて爽やかな水色の天井。そして、素晴らしく鮮明な、富士山を描いたペンキ絵。ここまで立派な富士絵は、東京の銭湯にも、そうそう頻繁にお目にかかれるものではありません。青色と水色をベースとした、海の側から遥かに見上げる、雄大な富士山。中央の白い帆を掲げた小舟が鮮やかに映えます。「西伊豆、丸山清人、令和一年六月」と書かれています。これを見るだけのために来ても良いかもしれません。詳しくはホームページなどを見てください。
施設としては、所々には歴史を感じる傷も見られますが、良く清掃されており、清潔な感じがします。木製の戸枠、大きな古時計など、いい味を出しています。脱衣場には、最新のマッサージ機が二つあります。待合室にも足専用の揉み機があります。省エネでしょうか、脱衣場は少し薄暗い雰囲気があって、下町の昔ながらの良銭湯の、風流のような何かしらも感じられます。
最寄りの駅からは遠いため、遠方からの来訪には都営バスが便利です。新小岩、船堀、西葛西などの駅からも、バス一本で来れます。小島湯の隣には、地元「葛西スーパー」があり、地元野菜(江戸川名産の小松菜!)や、お惣菜などを、安く美味しく買い求めることができます。繁華街から少し離れた、静かな下町の風情を楽しむために、そしてこの立派なペンキ絵を鑑賞するためにも、一度は足を運んで損はない銭湯、小島湯さん。いいお湯でした。
グーグルマップより。
ストリートビューより。