鬼平犯科帳5(池波正太郎) 焼きそばを作りながら

お酒ばかり飲んでいても仕方がないので、たまには本も読もう。コロナウイルス感染症の話題でニュースは溢れているけれど、庶民に影響のある4月1日からの制度変更として、「レジ袋の有料化」があった。我が家の御用達「まいばすけっと」でも、レジ袋が5円に。嫁さんからは厳しく通達があり、「レジ袋を買った場合は小遣いから天引きする!」ということになったので、常にエコバックを持ち歩くようになった。しかしながら、たまには忘れることもある。朝の散歩の帰り道、急に「やきそば」を作りたくなった時には、牛肉150gのパックと、半切りキャベツに「もやし」を抱えて、家路を急ぐこともある。

さて、鬼平犯科帳の5巻は、著者が鬼平ベスト5に選んだという「山吹屋お勝」をはじめ、余命短い大工の万三を中心とした人情話「深川・千鳥橋」、鍋蔵と惣介のコンビが乞食坊主を相手にひと騒動を企む「乞食坊主」など。一遍一遍、それぞれ個性の光る作品が並んでいて、暖かな春の陽光が差し込むベランダで読んでいると、テレワーク疲れを吹き飛ばしてくれる。

食事に関するおいしそうな描写が際立っているのも、鬼平犯科帳という作品の特徴だ。老舗の料理店から、本作品の「兇賊」に登場する「芋膾(いもなます)」という素朴な食材まで、とても幅が広い。池波正太郎さんは食に関するエッセイも豊富。食事に対するこだわりが感じられる。

さて。さほどの強いこだわりのない私の方は、子供たちの昼ご飯用に、「焼きそば」を作る。牛肉をほぐして炒め、塩コショーを二振り。粗びきウインナーを薄く切り、端っこは「たこさん」になるよう、切り目を入れる。キャベツを適当な小ささで切り、もやしを炒めて別置きにして、麺は三玉を一緒にフライパンで炒める。最後に野菜たちと合わせて、焼いた牛肉を載せて、出来上がりだ。六玉分を作るけど、粉ソースは五玉分しか使わないのがポイントだ(塩辛すぎるのは健康によくない)。テレワークをしつつの料理作りは、「ウチでの楽しみ」の一つになっている。

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