相模湖、ワカサギ釣り

ワカサギ釣りを経験するために(もちろん、釣るために)、東京から一番近い釣り場、相模湖へ来た。ある程度、釣れるようなら、子供たちを連れてきたら楽しめる。(今まで釣れない釣りばかりで飽きられている。)そんな期待を胸に、晴れ渡る寒い冬空の下、JR藤野駅から、相模湖の湖畔へと向かった。

JR藤野駅。新宿から1時間ほど

ボート貸し場へ着く。貸し場のお店の方々は、笑顔を見せると損をすると思っているのではないかと感じられるほど、ビジネスに徹した職人的なご対応だったが、親切に一通りの説明はしてくれた。残念ながら、暖かい船内で釣りができるドーム船は満席だった。当日なので、仕方ない。ボートを借りて、釣りスポットまで引いていってもらう。周囲の360度、すべてが相模湖の水面。静かだ。遠くに道路橋が見える。街道を走るクルマの音が、たまに聞こえる。クルマが過ぎ去ると、次のクルマが遠くからくる音がする。

静かな水面。魚も静か。

周りは本当に静かだ。近くの手こぎボートの、ギーコというオールの音。鳥のなく、ピーヒョロロロ、という音。遠くから、小さい鴨さんたちが、水面に波紋を引きながら近づいてくる。しばらくするとUターンしていった。魚の気配を感じないのかもしれない。

相模湖。左下がボート場。

午前中はまだ寒い。船着き場の温度計は、マイナス1℃だった。それでも、お日様のあたる湖面に座っていると、そこだけが暖かい。日当たりは大事だ。木陰へ移動すると、途端に寒くなる。ワカサギは木陰の方にいるのかもしれないが、暖かさを優先してしまう。

釣れた!

始めてから30分ほど。一匹目が、かかった。ほんの、少しの、ピッ、という反応があった。半信半疑で糸を手繰り寄せる。針が見えてくる頃、銀色のヒョロっとしたものが見えた。ようこそ!待ちかねていました。手のひらまで寄せてみる。綺麗だ。宝石みたい。本当に小さい。

青空を背景に、トンビがゆっくりと飛んでいる。とても青い空。その向こうには、飛行機の白い点が、止まっているかのようにゆっくりと動いている。風がないので水面が静かだ。時折、通り過ぎる動力ボートのさざ波で、ゆったりと揺れるくらい。その残波が湖岸へ流れ着くまでの時間もゆったりとしている。

二匹目が、なかなか釣れない

しかし、二匹目が、来ない。2時間が過ぎようとしている。 静かな湖面には、空に漂う綿雲のかけらが揺らいでいるだけだ。 ボートにはオールなどが無いけど、2つの錨(いかり)を両端に結わえ付けた長いロープが10メートルくらいの幅で湖に沈んでおり、それがボートの中央を通っているので、ロープを引くことで、一定の範囲内、前後に位置を動かせる。図解すると、[オモリ(沈んでいる)]---[ボート(浮いている)]---[オモリ(沈んでる)]、という図だ。しかし、その範囲でしか、自由度が無い。前後に寄せてみたが、手応えはない。エサも取り替えてみた。1時間に1度見える、船頭さんのモーターボートに声をかければ、魚のいそうな所へ、移動させてくれる。

平和な景色だ。湖面をいくつかの小さな羽虫が飛んでいる。ボートの穂先に止まった。いらっしゃい。こちらは景気があまり良くないよ。先ほどの一匹目がバケツで元気に鼻先を壁に当てている。5センチくらいかな?せめて10匹は来てくれないと、かき揚げの一つにもなりそつにない。

3時間が経とうとしている頃、本日の目的が「今夜のおかずワカサギ釣り」から「陽気にボートで日向ぼっこ」へと静かに変換される心の音を聞いた。一匹目がヒョロヒョロと泳いでいるバケツを持ち上げて、釣り糸とは反対側のボートの側面へ静かに放った。その小さなヒョロヒョロは、少しずつ、明るく澄んだ水の深い方へと、頼りなさげに泳いでいき、やがて見えなくなった。冬の日は正午になってもさほど高くはならないけど、風のない湖畔のボートの上は、その日差しだけで十分に暖かい。

ドーム船。暖かそうだ。

さすがにおなかも減ってきたので、近くを通りかかった船頭さんに撤収をお願いする。船頭さんに聞くと、「連れている人は、200から300匹」だそうだ。ホームページにも、そのような記載がある。一方で、近場のボートの人に聞くと、朝イチからで「50から60匹」。昨日は昼から3人で3匹、というのもあったそうだ。彼らは魚群探知機に複数の電動竿などの本格派で、私のレンタル手巻き(竿というか、棒に輪ゴムが付いているだけで、手で引き上げる)とは少し違うかもしれないが、常連さんは釣りの腕前が高いのだろう。

いずれにしても、日当たりの良いところでは暖かく、ボートからの湖の景色は楽しめた。子供たちと来て楽しむのなら、魚群探知機で場所を移動する釣れる確率の高いドーム船か、近くの相模湖ピクニックランド(名前は変わったかも)のほうがよいかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました