【千葉県浦安市】松の湯 猫実(ねこざね)の銭湯

松の湯は、千葉県浦安市、猫実(ねこざね)にある。東京メトロ東西線、浦安駅から南へ徒歩で8分くらい。境川という川にかかる新橋という橋のたもとに、堂々と構えている。橋を上がりかけた所にあるため、陽当りがとても良く、堂々とした、開放的な間口を持っている。通りから、ロビーの様子が丸見えで、上半身裸の地元の老紳士が、ゆっくりとうちわを仰ぎながら、長ソファーに横たわり、リラックスされていた。

建物は、壁や天井など、ずいぶん年季を感じる。ロビーに入る。広い。ここも開放的で、まるで、田舎の村民ホールのような、昭和初期の海の家のような。古いマンガ本が詰められた大きな棚、壊れたマッサージ機、よく分からないリクライニングマットなど。田舎の親戚の家に、帰ってきたかのような雰囲気。入浴料は350円。東京の一派的な銭湯より、100円以上も安い。

脱衣場も広い。大浴場の壁には、いくつかの将棋の駒が、描かれている。天井が高いが、壁紙が剥がれかかっていて、見た目はあまりハンサムではない。水圧を高めたホースで水をぶっかけて、あの天井の方のホコリたちを綺麗に洗い落としたい衝動に駆られる。洗い場の蛇口の、ちょっと緩んだネジも、ドライバーを借用して、締めたくなる。銭湯自体は立派な大きさなので、もう少し修繕費用を出して、より良いものにすれば、場所柄、観光スポットとして、外国人も呼び込めそうだ。修繕目的で入浴料を上げてもいいと思う(何年かかるかしら)。

湯舟のお湯は、かなり熱い。じっこう、という薬湯のようだ。煎じた漢方薬のような香りで、これは結構、好きである。超音波風呂、という説明書きも、ある。お湯の熱さで肌がすでにピリピリするので、どこから超音波が出ているのか、あまりよく分からない。別料金を支払えば、サウナも利用できるようだ。サウナ室は照明が落とされており、利用可能か、よく分からなかった。

浦安駅へ戻る道の途中には、浦安名物の焼き海苔や、焼き蛤(はまぐり)の店が見える。猫実(ねこざね)という名前の由来は、大津波で大きな被害を受けた集落の人達が、堤防を築き、その上に大きな松の木を植え、「この松の根を、津波が越さないように」と願い、「根越さね」と言われ、それが「猫実」になったそうだ。にゃーと鳴くほうの猫とは、関係ないみたい。ちょっと残念。

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