セブンイレブンで1,000円相当のところ、754円にて購入した。ラベルの色が少し薄くなっているところを見ると、賞味期限の近づきもさておき、熟成された高級酒の部類に入るのだろう。おそらく一年間は、このセブンイレブンのお酒コーナーに置かれていたに違いない。このラベルは、何人の通り過ぎるお客さんの顔を、見てきたことだろう。一度、手にとられては、少し首をかしげながら棚に戻され、近くに陳列された黒霧島を手にレジへ向かう客の後ろ姿を、何度、見送ったことだろう。涙が出てくる物語だ。
さて、別選海童、タマアカネ。原料に南九州産のタマアカネ芋を用い、白麹仕込み、常圧蒸留仕立てにて造られた、無濾過本格芋焼酎だそうだ。 蔵人の技により、タマアカネ芋本来の旨み、甘みの残ったスッキリとした味わいが特徴だ。
タマアカネといえば、霧島酒造の「茜霧島(あかねきりしま)」でも用いられている芋である。お湯割りにして飲んでみると、何となく甘い感じがする。黒霧島のようなキリリ!とした後味とは違った、お芋の優しい香りが、ふんわりと漂ってくるようだ。
販売元である濱田酒造は、鹿児島県に本社を置き、別撰海童のほか、 薩州赤兎馬(芋焼酎)、 薩摩富士(芋焼酎)などを手がけているが、焼酎といえば九州という風潮に反して、鹿児島県で唯一の清酒「薩州正宗」を醸造していることでも有名だ。鹿児島の土地は気候的に日本酒づくりに向いていないようで、鹿児島の日本酒は、とても珍しい。挑戦的な社風。今度、ぜひ味わってみたい。