本所おけら長屋(一)畠山健二 面白い!落語のような小説

江戸時代の長屋での、個性豊かな町人たちの楽しい毎日をテーマとした、落語風の小説。とても面白い。笑いばかりでなく、人情や情緒にも溢れていて、江戸っ子(一応私も)の心に響きます。日経新聞の広告欄で「14巻」の発売が目にとまり、1巻から読み始めました。

作者の畠山健二さんは、漫才の台本なども書いています。東京都墨田区吾妻橋のご出身。小説の舞台も近いです。設定上、「おけら長屋」のある「本所亀沢町」の位置は、南北に清澄通り、東西に京葉道路が走る交差点、キングサイズの服の店「ライオン堂」があるあたり。

八五郎や万造の(行き当たりばったりな)行動に感化?された、元武士・島田鉄斎の言葉が面白い。「先のことを考えてしまっては何もできなくなります。先のことなど考えずに行動する。真実はそこにあるのではないかと。これから起こることは、その時に考えればよい。自分たちの行いが、点に恥じないことならば、なんとかなるはずです。」

不確かな未来に向けた、一番の備えは、そういった柔軟な心を持つことなのではないか、ということを、教えてくれているかのようです。。

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