実家の近くの酒屋さんは、月末になると、無料で試飲会を開催してくれます。「講習会に参加します」と言って、数日間ほど臨時休店すると、全国各地の酒蔵へ、買い付けの旅に行くそうです。毎月6本を飲み比べてかr、気に入った数本を購入しています。
山口県岩国市にある坂井酒造のお酒、五橋(ごきょう)。近くの流れる今津川に架かる五つの橋に由来する「五橋」は、純米酒、生酒、焼酎から白米(五橋豊潤)の販売まで、手広く商っています。
「木桶造、精米90%山廃純米生原酒」(読み方は合っているのか不安ですが)は、その名前の通り、木桶仕込みの山廃造り。
山廃仕込みとは、特殊な酵母菌を用いて、時間をかけて酵母を繁殖させて、「山卸し(やまおろし)」という仕込み作業を省略する仕込み方法を言います。昔は、自然界に存在する乳酸菌を取り込むために、大勢の力を合わせて、米や米麹をすりつぶして、溶かす、という作業が必要でした。これを「山卸し(やまおろし)」と呼びます。「山卸廃止」が「山廃」となったそうです。
次に「木桶造り」とは、主に杉の木で作られた木桶で仕込みを行うこと。木桶の表面には無数の小さな穴があり、微生物が住み着いていて、発酵が効率的に進みます。木桶という素材を使うことで、独特な風味が出るそうです。
これら二つの仕込みを合わせて、精米歩合を90%に抑えたことで、お米の素材、山廃酵母、木桶の風合いなどが合わさります。豊富なアミノ酸の効果でしょうか、シュワシュワとした酸味も感じます。冷蔵庫で冷やして飲みましょう。