如空(青森県八戸市)純米吟醸原酒

地元の酒屋さんでは、毎月の月末に、日本酒の試飲会を開催しています。美味しい日本酒を仕入れるために、日本中の酒蔵を尋ね歩いているそうです。(経費で・・・羨ましい)

今回(2021年11月)は「ワイン試食会」のため、日本酒は試飲できませんでしたので、店長さんオススメの日本酒を買いました。

青森県八戸市の地酒「如空」。八戸酒類さんの看板商品です。ホームページがとても見やすく、酒造見学に心を惹かれます。大正時代に建てられた事務所は有形文化財として登録され、昔ながらの土蔵と赤レンガ倉庫の写真が魅力的です。

「如空」は試験醸造的な純米吟醸原酒で、ごく最近まで、地元以外への出荷はしていなかったそうです。酒屋の店長によれば、特別に数量限定で分けてもらったそうです。低温かつ長期間の発酵を行う「南部流儀」という作り方によって、アミノ酸が低くなり、淡麗辛口で、爽やかな味わいになるそうです。

冷蔵庫で冷やしてから、いただきます。鼻に抜けるような、新鮮でフルーティーな香り。酒米「美山錦」は耐冷性が強く、長野県や東北地方を中心に栽培されているそうです。大粒で心白発現率が高く、心白の部分が北アルプスの山頂にある雪のように真っ白なため、「美山錦」と命名されたそうです。

寒冷地に強い米。といえば、浅田次郎さんの小説「壬生義士伝」に登場する「吉村貫一郎先生」の言葉、「盛岡の桜は石を割って咲く」を思い出します。 どのような状況でもまっすぐに信念を貫く主人公の生き方、石割桜の石を割って見事に咲き散った南部武士たちの魂のようなものを感じます。

さて、以前は地元だけで飲まれていた、美味しい地酒。最近では、海外に輸出される日本酒の量が増えているようです。国税庁の統計によれば、昨年(2020年)の清酒(日本酒)の輸出金額は約241億円(対前年比3.1%増)となり、2010年から11年連続で過去最高を記録しているそうです。コロナ禍で、世界中で「家吞み」が増えているようです。コロナ前までに訪日した外国人観光客が、日本に滞在中に日本酒の魅力を理解し、最近の日本酒の輸出に結び付いているのかもしれません。

ちなみに、2020年のお酒輸出金額のトップは、ウイスキー(約271億円)がトップで、日本酒(約241億円)を初めて逆転したそうです。ちなみに輸出先は、1位が中国、2位が米国。2か国で約半分を占めます。お酒を舞台とした米中競争ですが、いち早くコロナ禍から立ち直った中国がリード中とのこと。円安も輸出を後押ししています。「如空」が海外に輸出される日も近いかも。海外に日本酒の魅力がもっと広がるといいですね。

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