米粥 南羅鼓巷ストリート(2019北京_05)

今回の北京出張で初めて迎える日の朝は、集合時間までの数時間を利用して、昔ながらの北京の街並みが楽しめる胡同(フートン)を散歩しようと思った。地下鉄に乗ってホテルから30分程度、「南羅鼓巷」というストリートを歩いてみた。

このあたりは、主に観光用に整備された、古き良き街並みが広がっている。土曜日の朝だが、思ったよりも閑散としている。少し歩くと小学校や平屋建ての住宅地も見える。高層ビルや喧騒に溢れるイメージの北京だけど、こういった低層の居住地が大規模な区画で保護されている場所もある。リヤカー付きの自転車にキャベツなど野菜を山積みに積んだおじいさんがタバコをくわえながら道の真ん中をベルを鳴らしながら走り通る。こんな風景まだ残っていることに感動する。

歩いている内にお腹が空いてきたので、朝ごはん屋さんを探す。一軒だけ開いていた。中国式ファーストフード店だろうか。店先は狭いけど、奥はやや広くなっていて、座る場所もある。飲みたいと思っていた温かい豆乳は残念ながら売り切れていた。暖かいお粥と、油条(ヨウティアオという、長い揚げパン)、肉まん2つを食べる。11元だから、180円くらい。少し冷たくなっているけど、そこそこ美味しい。

帰りの地下鉄の中は賑やかだった。イヤホンをしないで動画を鑑賞する方(音漏れどころでは無い)、上を向いてセキをガホガホとする方。その一方で、おばあさんが乗車してくると、そこへ積極的に席を譲るような光景もあった。席の譲り方も、「座れば!」と、威勢がいい。譲られた方も「すまないね!」と遠慮が無い。ある意味では爽やかなやりとりだ。日本のように「よろしければ・・・」「あら、すみません・・・」という、双方で遠慮がちな雰囲気は皆無だ。日本にいるときにNHKニュースか何かで観たのだけど、日本人の幸福度を測定したときに、マイナス要因だったのが「自由さ」だったそうだ。日本は礼儀正しく律儀な国だけど、暗黙のルールなど、少し堅苦しいのかもしれない。東京には無い自由さ、のようにも思えた。

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