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剣客商売 八 狂乱 池波正太郎

小説「剣客商売」は全16巻。この8巻で、ちょうど折り返し地点だ。解説でも述べられているが、この巻では、様々な女性たち登場し、物語の重要な役回りを演じる。水商売に生きる女性、悪巧みに長けた女性、男性を手玉に取る女性。見た目は普通の生活をしてい...
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剣客商売 七 隠れ蓑 池波正太郎

第一話目の「春愁」にて。秋山小兵衛の、若き日の悩みが綴られる。秋山道場を拡張して、大江戸における名門に仕立て上げようという野心もあったが、「そのためには、おのれの剣を磨くだけではすまなくなる。」諸家への働きかけ、世辞も言わねばならぬ、汚濁の...
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交通誘導員ヨレヨレ日記 柏耕一

新聞の広告欄で見かけた、目を引くタイトルの本。著者の柏耕一さんは、波乱万丈な人生の末、73歳にして現役の交通誘導員。少し前の著書「武器としての言葉の力」を読んだ後だと、この作品とのギャップがすごいけど、経験に基づく予想通りの面白い内容だ。「...
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舟を編む 三浦しをん

「三浦しをん」さんの小説。とても珍しい、辞書の編纂をテーマにした小説。出だしから見ると、恋愛小説なのかな?と思いきや、チームワークや仕事観、生き方など、とても濃い内容の小説だ。本屋大賞を受賞した風格を感じる。不器用な主人公、それを支える周り...
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稟議と根回し 山田雄一(1985年のビジネス書)

会社の外部セミナーで、講師の方が資料の中で引用されていた書籍。昭和60年だから、1985年の発刊だ。AMAZONでも入手できず、近隣の区の図書館を探して、やっとみつけた本。高度成長期の真っ只中にある日本企業を背景とした、人材育成のバイブルで...
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旅をする木 星野道夫

「自然はいつも、強さの裏に脆さを秘めています。そして、僕が魅かれるのは、自然や生命のもつその脆さの方です。」アラスカを生活の基盤にして撮影・執筆活動をしていた、星野道夫さんの「旅をする木」にある言葉。数々の受賞を得つつも、星野さんは取材中に...
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続・森崎書店の日々 八木沢里志

神保町の古書店街を舞台にした、心温まる人々が織り成す、優しく暖かな日々を綴った、前作の続編です。素直で優しく少し抜けている貴子さん、人当たりが良く少し変で飄々としているサトル叔父さん、サッパリ快活で人当たりの良い桃子叔母さん。古本屋「森崎書...
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森崎書店の日々 八木沢里志

嫁さんから特別に面白いという折り紙付きで借りた文庫小説。神田の神保町にある古本屋「森崎書店」を取り巻く心優しい人たちの描写が軽快に楽しいです。サトル叔父さんの素直で深い優しさ、主人公の貴子さんの成長ぶりが眩しく。作者の八木沢里志さんは本作で...
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鎌倉うずまき案内所 青山美智子

鎌倉の街角の風景に、なんとも温かみのあるお話が、重なり合うように集まった小説だ。青山美智子さんによる、2019年の最新の小説。「鎌倉うずまき案内所」の登場人物たちは、それぞれ性別も年齢もぜんぜん違うけれど、誰もがどこかで共感してしまうような...
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木曜日にはココアを 青山美智子

青山美智子さんのデビュー作、「木曜日にはココアを」をはじめとする、12章でひとつながり作品集。桜並木の先にある「マーブルカフェ」で働く若者と、ひそかに好意を寄せる常連の若い女性。柔らかい日差しが降り注ぐ窓際に座って、英語でエアメールを書く様...