本の紹介

本の紹介

剣客商売 九 待ち伏せ(池波正太郎)

シリーズ第9段。表題作「待ち伏せ」は、小兵衛が四谷に道場を開く時に資金援助もしてくれた恩人、若林春斎との因縁を巡る展開。人は多くの顔を持っている・・・という。人間の本性をテーマに、愛憎入り組んだお話だった。一方で、三冬が身ごもっていることへ...
本の紹介

コンビニ人間 村田沙耶香 第155回芥川賞受賞

第155回芥川賞受賞。やっと図書館で予約の順番が回ってきた!主人公である36歳の女性は、コンビニのバイトを18年間も続けている。周りからは奇異の目で見られつつも、ここでの仕事が、彼女にとって、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。「普通」と...
本の紹介

燃えよ剣(下) 司馬遼太郎

新選組「鬼の副長」、土方歳三の物語、その下巻。「新選組を天下第一の喧嘩屋に育て上げる職人」として、武士というものに鮮烈な理想を抱きつつ、激動する幕末の大空を飛翔するような、爽快な歴史長編だ。下巻では、戊辰戦争の幕開けでもある「鳥羽・伏見の戦...
本の紹介

燃えよ剣(上) 司馬遼太郎

昭和37年(1962年)に連載された本作、歴史小説「燃えよ剣」が、令和2年(2020年)5月22日に映画化されるという。「土方歳三」:岡田准一、「沖田総司」:山田涼介(ジャニーズジュニア)といった配役は、小説のイメージにも良く合いそうだ。「...
本の紹介

麻雀放浪記 4番外編 阿佐田哲也

「完結編」ではなくて「番外編」。この物語の主人公である、「坊や哲」はすでに勝負の世界から(ほとんど)足を洗っていて、本編の主役(だと思う)は、李億春(りおくしゅん)という北九州のバイニン。博打そのものが大好きで、常に高いレベルの勝負を求めて...
本の紹介

麻雀放浪記 3激闘編 阿佐田哲也

麻雀放浪記は、戦後すぐの昭和20年から昭和40年くらいまでの期間を舞台にしている。青春編、風雲編では、「坊や哲」が若い力いっぱいに、博打の世界で活躍する物語だっったが、この第3巻では、長年にわたる麻雀の打ち過ぎのためか、肘が上がらなくなり、...
本の紹介

麻雀放浪記 2風雲編 阿佐田哲也

2作目。前作から数年が経過した主人公「坊や哲」は、すっかりヒロポン(麻薬)中毒になっていた。麻薬欲しさに、もうろうとした意識の中でヤクザの代打ちをするけど、ボロボロに負けてしまう。イカサマもばれて、自暴自棄になって飲食店で大暴れし、警察に差...
本の紹介

麻雀放浪記 1青春編 阿佐田哲也

もう何回、読み直したことだろう。「昭和二十年十月───。敗戦後まだひと月あまりしかたっていない、そんなある日、不忍池に近い部落の奥まった部分、警官も立ち入れなかったような場所に、ボロボロのシャツ一枚に戦闘帽という貧相な中年男が入り込んできた...
本の紹介

これでいいのだ 赤塚不二夫自叙伝 おそ松さんは、なぜ6人?

マンガ「おそ松くん」は当初、4週間限定の連載だったそうだ。これまで主人公といえば一人が普通だったので、増やしてみよう、という試みで、映画「一ダースなら安くなる(1950年のコメディ)」にヒントを得た。12人だと1コマに入りきらないので、半分...
本の紹介

スマイリング!岩熊自転車 関口俊太(作:土橋章宏)

「超高速!参勤交代」をはじめ、楽しい切り口で時代小説を手掛ける、土橋章宏さんの作品。今回のテーマは、自転車レース「ツール・ド・函館」を舞台に、函館に暮らす孤独な中学生・俊太と、かつて夢を追いかけていた「岩熊自転車」の主人(おっちゃん)の物語...