福建省、福州の中心部に、西湖という湖があり、その周りに公園を形成している。短期の出張者にとっては、朝の散歩コースとして最適だ。朝と言っても気温、湿度ともに、半端なく高い。さすがに亜熱帯だ。
バイドゥ百科から意訳してみると、「福州市の中心部に位置する福州西湖公園は1,700年以上の歴史があり、福州で最も完成された古典的な庭園です。蘇州スタイルの庭園には、それぞれ特徴があり、兎耳峰という不思議な岩などもあり、福州市民がリラックスするのに最適な場所です。西湖は西暦282年に当時の郡守により作られ、唐の時代にはすでに有名な観光の名所でした。」
朝の六時頃だが、地元の方々で、とても賑やかだ。陽気な音楽が流れる。音源は複数だ。それぞれの集団でダンスをするご婦人たちや、暑い中をマラソンするご高齢の方、太極拳、太極剣、ペットボトルを頭の上に載せて体操をする不思議な人、社交ダンスのようにクルクルまわる高齢のカップルたち。こういう風景を見ると、何とも説明し難い、長年の歴史によって燻蒸されてきた文化力の力強さを感じてしまう。
日本も見習うべき…かどうかは個人の主観に任せて、少なくとも、暑い夏にも関わらず、こんなにも元気に活動的な高齢者たちを、久しぶりに観察するに至ったことは事実だ。日本では、朝の公園はとても静かだし、ダンスミュージックなんか流したら、それこそ迷惑、極まりない。でも、そのような文化的包容力の高さが、ちょっと羨ましいような気もする、公園の朝の風景だった。