ステイホームで外国が楽しめる。格安輸入ウイスキーを紹介します。
家の中で楽しめることといえば、「ウチ飲み」ですね。テレワークで出勤時間が無くなると、晩酌の始まりも、早くなっているような気がします(笑)。気軽に飲めて美味しい、格安ウイスキーを紹介します。
カティサーク(スコッチウイスキー)
黄色いラベルに船のデザイン。ボトルには「The Spirit of Adventure」の文字と羅針盤の模様。冒険魂を感じるスコッチウイスキー、カティ・サーク。何だかロマンを感じます。とてもドン・キホーテで798円で売っているとは思えません(売っています)。
サークといえば、1989年に「マイクロキャビン」というゲーム会社が開発したロールプレイングゲーム、パソコンゲームのサーク(Xak)を思い出します。PC-8801mkIISRシリーズの対応でした(9801用もあったかも)。当時は日本ファルコムのイース(ys)やザナドゥ(XANADU)が主流でしたが、当時としては斬新的な、プレイヤー移動時の多重的なスクロール、高低差のあるマップ、木々の中を歩くとキャラクターが日差しを浴びるように輝く透過表示など、とても斬新なゲームで大好きでした。(話がそれました…)
思い返してみれば、MSX、pc-8801SR、9801RX2以降、タウンズ(FM-TOWNS)などを経て、ゲームの成長とともに青春時代を過ごした私たちの世代は、「ゲームは次々と進化して、面白くなってくる!」という、常に明るい未来を実体験できた、幸せな世代なのかもしれません。ファミコンからスーファミ、PCエンジン、メガドライブ、そしてプレステへ。ゲームの進化に、新鮮な感動を覚えていました。それに比べると、今の子供たちは、生まれた時から64ビット、トップギアの世界。新たな感動に魂が震える体験という点では、物足りなさを感じているかもしれません。(何の話をしてたんだっけ…。)
さて!このカティーサーク(カティサークかな?)という名前の由来は、19世紀に建造された、大英帝国(イギリス)の快速帆船のこと。当時は「東インド会社」が貿易を独占していました。紅茶は2年程度もの年月をかけて、中国からイギリスまで運ばれていました。その後に独占が崩れて、「イギリスの国民的が大好きな紅茶を、新鮮なままに、早く届ける!」ことが注目されるようになりました。一番茶は高値で取引されます(マグロの競りみたい)。一番茶の船主や船長は、莫大な利益と名誉を得ることができます。そんな時代に活躍したのが「カティサーク」号です。とてつもなく速い船で、風を切るような速度で海を駆けたそうです。スエズ運河が完成して喜望峰を大回りするルートがメジャーではなくなるまで、カティサーク号は、一番茶レースの花形だったそうです。
このウイスキーの語源とは異なりますが、「カティサーク (Cutty Sark) 」という言葉は、スコットランド語で短い (Cutty) シュミーズ (Sark) も意味します。この言葉からは、妖艶な魔女の衣装が連想され、「魔女」という意味もあるそうです。スコットランドには、魔女伝説、魔女狩り、魔女裁判といった話も伝わっています。
前置きが長くなりましたが、カティサーク・ウイスキーを飲んでみます。軽い口当たりで、スムーズな飲み心地です。普通に美味しく飲めます。スコッチウイスキーっぽい、快活な海賊が船上で大いに酔っぱらうような(どんなでしょうか)、元気のあるフルーティーな芳香です。冒険者の精神を常に忘れず、これからも新たな(そして安い)お酒を探求していくぞ!という冒険心が駆り立てられるようです。
「1Q84」をはじめとする、村上春樹の小説にも、何度も登場します。飲みやすくて値段もお手頃な、初心者向けのスコッチウイスキーです。
香り:爽やかフルーティー感 4.0
味わい:やや辛口感 3.5
ボディ:ライトな飲みやす感 4.0
アルコール度数:40度
「カティサーク」紹介へ(amazon)
ハイランドクイーン(スコッチウイスキー)
こちらもスコッチウイスキーです(ブレンドですが)。我が家の酒蔵である「業務スーパー」で790円(+税金)。いつものようにグラスに氷を浮かべ、サンガリアの強炭酸水をトコココと満たします。ハイランド・クイーン。ハイランドエリアはイギリスの北、スコットランド北部の高原地方の名称です。
ハイランド・クイーンという名前の由来は、スコットランドの女王だったクイーン・メアリーです。数奇な運命を辿った女性です。同時代には、イングランドでは女王エリザベス1世もいました。多くの芸術作品の題材にもなっています。 最近では全米で絶大な人気の「クイーン・メアリー」というドラマシリーズが放映されたそうです。私たちの感覚でいえば、昔のお嬢様方から絶大な人気を得た、韓国宮廷ドラマのようなものでしょうか。男性の感覚としては理解に苦しいところです。
キャップには、馬上で優雅に行進しているような、女王の姿がイラストされています。「The Indipendent Spirit」と書いてあります。独立心を大切にする気持ち。1561年に設立された酒造メーカーですが、1561年といえば、織田信長が徳川家康と同盟し、美濃に出兵して斎藤龍興軍を破った年です。父親である斎藤道三を討ち、さらに信長を討とうとする、マムシの子・斎藤義龍。時代に迎合しない、義龍のインディペンデントスピリッツは、孤高の女王・ハイランドクイーンとも共通する何かを感じるような・・・気もします。
フルーティーな香り。爽やかなりんごのような香りがします。サラリとした飲み心地です。何となくジンジャーっぽい香りも漂います。やや辛口でしょうか。お手頃で、とても飲みやすいスコッチウイスキーです。
香り:とてもフルーティー感 4.5
味わい:やや辛口感 3.0
ボディ:ライトな飲みやす感 4.0
アルコール度数:40度
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バランタインファイネスト(スコッチウイスキー)
スコッチ・ウイスキーの名門バランタイン。日本では6種類が流通しているそうです。その高級品は「30年」、大体8万円くらいします。30年前といえば、四半世紀よりもっと昔。私もまだ生まれていなかったかしら(しっかり生まれています)。
そこそこ高級な部類に属するボトルが思い浮かんでくるバランタイン・ウイスキーですが、「バランタイン・ファインスト」は、その中でもエコノミークラスに座っていながらも、美味しくて飲みやすいボトルです。セール時には千円くらいです。(ちなみにプレミアムエコノミー席には、いつも「バランタイン12年」さんが座っています。)
「バランタイン17年をプレゼント」キャンペーンを実施中でした。これは5千円以上の勝ちです(セコイ)。バランタイン17年は、シリーズ中では最も好評で、英国であ「ザ・スコッチ」とまで呼ばれています。「バランタイン魔法の7種」と呼ばれる原酒によるブレンドだそうです。ハリーポッターの魔法の世界です。英国で過ごした若き日々の記憶も忍ばれます(単なる短期出張です)。
試飲します。まずは水割り。スコッチウイスキーらしい、樽の香りがふわっとします。まろやかな風味です。飲みやすい。バニラの香りがします。どことなく甘い感じです。病みつきになりそうです。氷を浮かべたロックの飲み方で、少しずつ飲みながら、夜を更けていきたいような気持になります。
スコッチウイスキーの王道、世界中のウイスキーファンを魅了する「バランタイン」、まずはエコノミークラス「ファイネスト」から。抽選に当たったら、今度は17年をレポートします。(まだ通知は来ません・・・)
香り:フルーティー感 4.0 味わい:辛口レベル 3.5 ボディ:さらりとライト感 4.0 アルコール度数:40度 「バランタインファイネスト」紹介へ(amazon)
クレイモア(スコッチウイスキー)
鋭い剣の図柄がキリリと引き締まる、スコッチウイスキー、クレイモアです。スッキリとハンサムに細目のボトルに、キラキラとした淡い琥珀の液体が揺れます。うーん、カッコイイ。若い英国の騎士のようなデザインです。
クレイモアとは、昔、スコットランドのハイランド地方の戦士たちが愛用していた、諸刃の大きな剣の名前だそうです。スコットランド・ゲール語の「大きな剣」を意味します。テレビゲームの世界でも、大剣の代名詞みたいになっている「クレイモア」。武骨で強そうな大男が振り回す剣のイメージです。そいつが酔っぱらっていたら、近寄らないほうが賢明でしょう。原文には、そのような英語の説明があるようです(注意:ありません。)
味わってみます。少し甘めなウイスキーです。レーズンのような果実の香り。初心者(私も)には飲みやすいと思います。スモーキーな感じもします。クレイモアは「英国の国内向けの一般酒」として、高級ラベルは造っていないそうですが、イギリスでは庶民から広く愛されている銘柄のようです。
ラベルに記載されたカッコイイ大剣の図柄は、様々なバージョンがあるそうです。日本酒でいえば「剣菱」のようなものでしょうか。「忠臣蔵」で内蔵助が討ち入りの前に、「剣菱を持て!」と人を呼び、出陣前の祝い酒として、剣菱の樽を開けたとか。ハイランドの戦士たちも、景気づけに「クレイモアを持て!」と声を高らかに、戦場へと向かっていったのかもしれませんね。
香り:ややスモーキー感 3.5
味わい:やや甘口感 3.5
ボディ:ライトな飲みやす感 4.5
アルコール度数:40度
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アターニー、アトーニー?(スコッチウイスキー)
スコッチウイスキーのラベルは、どれも個性的です。快速帆船、諸刃の大剣、騎馬の女王。今回のアトーニーでは、英国の田園風景の中に静かに佇む洋館のデザインです。優雅な感じがしますね。とてもドン・キホーテで698円とは思えません。
値段のことよりも、謎に包まれた銘柄です。Attorneyの発音は、イギリス英語なら「アトーニー」、アメリカ風なら「アターニー」。日本の紹介ブログを探すと、両者が混在しているようです。輸入販売会社の「巴ワインアンドスピリッツ」さんの商品紹介サイト、ウイスキーコーナーには、当商品の紹介が、ありません。スコッチなので、ここでは絵英国風に「アトーニー」と記載します。
Attorneyという英単語を辞書で引くと、代理人、弁護士、法定代理人という言葉が並びます。Solicitor(ソリシター)= 事務弁護士、Barrister(バリスター) = 法廷弁護士、こういった法律系職業の方々の総称として、Attorney(アトーニー)と呼ぶそうです。
・・・それにしても、なぜ名前が「法律家」なのかしら。この洋館のデザインも、何なのでしょう。グーグルの検索言語を英語にして探しても、この商品に関する情報は極めて少ないのです。「12年物が美味しい」とか「オークションで買った」という個人コメントが数点だけ。製造会社も不明です。英米のウイスキー情報の総合サイト、ウイスキーアドボケイト(Whisky Advocate)にも未掲載です。
「巴ワインアンドスピリッツ」さんは、品川に本社がある輸入代理店。「本物だけを、世界から」をキャッチフレーズとして、世界中の色々なお酒を、とてもリーズナブルな価格で提供してくれています。
さて、開封します。香りは、あまり強くありません。ほんのりバニラの香りがします。薫ばしいウイスキー樽の香りと一緒に、ふわっと広がる感じです。甘口なスコッチ・ウイスキーです。日本酒の味に馴染んでいる私たち日本人にとっては、飲みやすいです。琥珀色というよりも黄色に近い液体。緑色のボトルである理由を邪推するならば、色の薄さを包むための工夫でしょうか。陳列棚では、ウイスキーの琥珀食を際立たせる透明ボトルが多い中で、このグリーンは、却って目立つような気がします。
はじめは炭酸水に氷を浮かべて、トポトポと注いでみたが、それでも薄めの味でしたので、ロックでも十分、あるいはストレートでも飲めそうです。英国風のカチッとしたネーミングとラベルの洋館を眺めながら、その由来を自由に想像する楽しみがあります。
香り:ややスモーキー 3.5
味わい:甘口で爽やか感 4.0
ボディ:軽めの口当たり感 4.0
アルコール度数:40度
ご紹介に当たり、以下の本も参考にしました。